スイス人は『アルプスの少女ハイジ』Heidiが嫌いで、ベルギー人は『フランダースの犬』A Dog of Frandarsが好きではないが、日本人は『おしん』が大好きである。
スイス人は『アルプスの少女ハイジ』が好きではない。再放送がなかったか、1回だけだったかであった。アルムの山での生活は貧乏臭く、産業らしい産業もなく、生活が苦しい。ヨーロッパ各地に傭兵(ようへい=外国人兵)として出稼ぎしなければならなかった貧乏な時代を思い出させるものであるからであるらしい。また、酪農(らくのう)しかなく、工業がないイメージを嫌うらしい。
スイス人の傭兵(ようへい)に関しては、こういうのがある。ルイ16世の傭兵であったがために、フランス革命時にスイス人傭兵は虐殺(ぎゃくさつ)されている。15世紀から18世紀あたりまではヨーロッパ各地の傭兵として活躍した。バチカン市国の衛兵隊は今でもスイス人である。しかし、こうしたことは、貧しいゆえに成立したことである。
ドイツでは、アニメの『アルプスの少女ハイジ』は何度も再放送された。ドイツ人には大いにウケたのである。ハイジがドイツのフランクフルトに向かう際に、フランクフルトのような大都会に行けるのは夢のようだとはしゃぐところが、ドイツ人にとっては痛快で、スイスの田舎者めと溜飲(りゅういん)を下げるそうだ。
ベルギー人は『フランダースの犬』が好きではない。貧しい時代を思い出させるし、愛玩動物(あいがんどうぶつ=ペット)である犬を使役(しえき)に用い、こき使っていたことを恥ずかしいと考えているようなのである。挙げ句の果ては神聖な教会で主人公と犬が遺体(いたい)になる。
なお、ベルギー人は、17世紀まで自国がスペインの殖民地(しょくみんち)であったことは、大学生になるまで習わない。自国に誇りを持たせるようにするのが、世界標準であるようだ。
ベルギー人の大学生(女性)に、ベルギーほど立派な国がスペインごときの殖民地(しょくみんち)だったということを高校の世界史の授業で知ったときには驚いたと言ったところ、もっと驚かれた。日本ではそこまで教えているのかということである。日本には恥ずかしい歴史がないので、自国のみならず、他国のことまでも、正しい歴史を教えていると答えた。
一方、日本はというと、『おしん』で、たかだか100年ほど前の日本の平民がどれほど貧乏だったのかを描き、平均視聴率50.6%だった。幕末に日本を訪れた複数の外国人が、日本は貧しいが、日本人は貧しいことを恥とはせず、誇り高く生きていると述べている。こうした日本人の民族性は世界でも稀有(けう)のものである。
NHKは『おしん』を世界各国に輸出し、アジア・中近東ですこぶる好評を博した。たとえば、イラン国営テレビでは最高視聴率90%を記録し、『おしん』の放送時間中に停電となったエジプトでは、『おしん』が視(み)られなくて激怒した民衆がテレビ局や電力会社に押しかけ、暴動となった。
同時に、そのくらいに貧乏だった日本が、その後、日露戦争の日本海海戦で当時、世界最強とされたバルチック艦隊を軽く退け、戦勝し、関東大震災にめげず、アメリカ合衆国やその他の連合国相手に4年近くもガチの戦争を継続したことから、東南アジア・中近東では日本に対する敬意が増した。
日本人は『おしん』がよほど好きらしく、小説化・漫画化はもちろん、1984年にはアニメ映画化したし(興行的には失敗だった)、2008年・2009年に舞台化された。
そうしたところへ、『おしん』の実写映画が2013年10月12日に公開される予定である。
貧しいことを恥とはしない民族性のなせる業(わざ)であろうな。人としての「誇(ほこ)り」を重んじる民族性があるのだろう。
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自己紹介
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- 早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。
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