これは、ずいぶんと以前に、反=毛皮運動のスローガンのひとつとして使われたものだ。
たとえば、本物の豹(ひょう)の毛皮のコートであるなら、その豹が殺されてから、毛皮を剝(は)がれたということを、こんなふうに表現したわけだ。
ドキッとする表現だろう。
最近は毛皮のコートを羽織(はお)る人は減っている。ダウン=ジャケットやフリース=ジャケットなど、軽くて暖かいものがあるからだ。
ところで、ダウン=ジャケットで使われるダウンにも、品質差がある。中国産のダウンの場合、もともとは食用として飼育されている鴨のダウンが使用されている。本来が食用なので、若鳥の段階で、屠殺(とさつ)され、ダウンを採取され、食用として供される。成長した鴨のダウンと較べると保温性などの点で劣る部分がなくもない。ジーンズ=メイトなどのダウン=ジャケットには、この手のダウンが使用されているという。保温性などの点での品質は劣る。ダウンを提供した鴨たちは、北京ダックなどに調理される。
そうすると、中国産のダウンを使ったダウン=ジャケットを着ている人に対して、こんなことが言えるのではないだろうか?
あなたが着ているダウン=ジャケットに入っているダウンを、あなたの前に纏(まと)っていたやつは、たぶん、北京ダックになっているんだよな。
よく考えると悲しいことであるはずなのだが、なぜか、笑ってしまう。
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