2012年12月24日月曜日

サンタクロースの存在を疑いはじめた娘に対して、ある父親がとった行動

 娘が小学2年生のときに、サンタクロースの存在を疑い始めた。もう少し長く、サンタクロースが実在(じつざい)すると思ってもらいたいと思った父親は一計(いっけい)を案(あん)じた。

 彼はサンタクロースの衣装セットを購入した。

 12月24日の深夜に、サンタクロースからの贈り物を届けに、娘の部屋に入り、巨大な靴下に贈り物を入れた。そして、小学2年生の娘が目を醒(さ)ますようにと、どんどんと足を踏(ふ)み鳴らしたり、ベッドを揺すったりして、目を醒(さ)ましそうになると、娘の部屋のドアのところに、ドアを開けたまま背中を向けて、立っていた。
「あ、サンタさん」と娘が言ったのを耳にすると、走り去って、即座(そくざ)に着替えた。
 しばらくして、娘が、パジャマ姿のまま、居間にやって来た。
「わたし、さっき、サンタさんを見たよ」と娘が言った。
「サンタさんが来たんだ。気づかなかったなぁ」と父親はしらばっくれた。

 娘は小学5年生までサンタクロースの実在性(じつざいせい)をまったく疑うことはなかった。

 けれども、小学6年生のときに、押入れの奥に例の衣装を発見した。サンタクロースの存在を信じなくなった。

 その父親に訊(たず)ねてみた。
「そんなことをやっていて、楽しいんですか?」
「掃除機さんには娘さんがいないから、わからないでしょうが、楽しいんですよ」

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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