2013年2月7日木曜日

「クチコミで生徒が集まる塾です」「クチコミで評判の〇〇塾です」は、生徒の成績をそれほど上げることができない。

「クチコミで生徒が集まる塾です」「クチコミで評判の〇〇塾です」という宣伝をしている学習塾は、本当はそれほど成績を劇的に上げることはできない。

 ちょっと考えてみればわかることだが、「2」が6個、「3」が3個の生徒がオール「4」になれば、だれにも教えたくなくなる。また、偏差値30台から半年で立教大学に合格すれば、これまた、だれにも教えたくなくなる。

 当校で実際にあった話だとつぎのようなものが挙(あ)げられる。

 近所の区立中学校に通っている生徒が、同級生にどこの塾に通っているのかと訊(たず)ねられて、「あなたには通えないくらい遠くの塾よ」と答えた。

 大学受験に際して、どこの予備校に通ったのかと問われて「お茶の水ゼミナール」と答えた者もいた。「嘘を吐(つ)いて、相手を嵌(は)めようとしたことにならないか」と訊(たず)ねたら、「新宿セミナーと答えるよりは良心的だと思います」と答えた。うーん、私は、精々(せいぜい)のところ、駿台予備学校以外に通う価値のある予備校はないと思っているのだが、それなりに序列があるらしい。

 中学3年生になってから当校に入学した生徒に小学5年生の弟がいるということから、「君の弟を今からうちに入れておけば、相当に成績が上がると思うが」と言うと、「そんなことをしたら、うちの馬鹿弟がぼくよりも難しい高校に進学するじゃないですか!」と言った。

 また、もともとの成績が自分よりもちょっとだけでも上の生徒に紹介すると、自分よりも成績がよくなる可能性が高いので、紹介しない。絶対に成績で抜かれなさそうな生徒しか紹介しない。

 所謂(いわゆる)「紹介の仁義(じんぎ)」である。

 これは、知り合いの女性に女性を紹介してもらったら、必ずといってよいほど、紹介された女性は紹介した女性よりも美人とは言い兼(か)ねるとか、あるいは、合コン(合同コンパ)を催(もよお)した場合、女性側の参加者が女性幹事よりも美人とは言い兼ねるというのを同じである。

 軽い自閉症児を紹介したり、ちょっと知的障害があるかなという生徒を紹介したりする場合がある。成績を上げる自信があるので引き受け、成績は上がるが、その後の経過(けいか)がよくない。

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 軽い自閉症児の事例を挙(あ)げる。

 彼は偏差値40以下の私立の中学校の生徒であった。偏差値40以下と書いたが、四谷大塚やSAPIX(サピックス)や日能研では、レベルが低すぎて、偏差値算出不能となっているような私立中学校である。

 英語も国語もビリだったが、英語はなんとか、学年順位が真ん中くらいになり、国語もビリから脱出してビリから2番となった。数学に関しては、自閉症の子どもには計算だけは苦手ではないというタイプいて、彼もそうだった。だから、数学は英語・国語ほども悪くはなかった。

 英語が学年で真ん中くらいの順位になり、国語もビリではなくなると、途端(とたん)に当校での勉強量が半分以下に減った。

 軽い自閉症児の場合、偏差値40以下の中学校でも学年順位が真ん中くらいで満足してしまって、それ以上には勉強しなくなったのである。

 以上のようなことがあったので、自閉症児の成績を一般の学習塾よりは上げられるのだけれども、特別料金でしか引き受けなくなかった。
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 英語の成績が学年順位で真ん中くらいで勉強量が半減した生徒の例であったが、当校の学習用プリントを使うと、ごく普通の生徒よりちょっと頭がよいくらいの生徒でも、やる気さえあれば、中学校入学前に3年分が、高校生でも偏差値63以上の高校に通う者であれば、2年分の教科書を訳して、語順整序(並び替え)のプリントをこなすことができる。すると、2年以上先取りをしてしまうと、これ以上、勉強しなくてもいいやという気になって、当校に来なくなる生徒がだいたい2年にひとりくらいの割合で出現する。

 また、女子生徒の場合も、成績が上がり過ぎると、嫁の貰(もら)い手が減るということで、退塾させる母親がたまにいる。

 成績が上がり過ぎると、塾というものは繁盛(はんじょう)しないものなのである

 成績が上がりすぎる塾の特徴として、兄弟姉妹・親戚(しんせき)だらけになるということがある。血縁関係にある場合は、成績で抜かれても多少は構わないと考えるらしい。

 その結果、当校では、〇〇一族・△△一族・◇◇一族という具合(ぐあ)いに、血縁者だらけになっている。同じ苗字(みょうじ)の生徒が多いので、下の名前で呼ぶようになった。

 ということで、本当に成績が上がる塾の場合、兄弟姉妹ならびに親戚(しんせき)だらけになってしまうのである。

 でも、これって、なんだかよくない気がするし、多少、座席に余裕(よゆう)があるので、12年ぶりに新聞にチラシを入れることにした。

 12年前には、どういうチラシにすればよいのかを調べて、そのとおりにしたが、そうすると、児童虐待(じどうぎゃくたい)をしているらしい親とか、知的レベルが低すぎる親とか、そういうのがわんさかとやってきたので、今回は、普通の人が読む気がしないものにした。こういう形で、選別するわけである。これは如何(いか)にも日本的ないやらしいやり方だとは思う。

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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