2013年1月16日水曜日

高校受験用の駿台模試で全国1位をとったやつを凹(へこ)ませたうちの生徒の発言

 何年か前の話である。

 駿台予備学校では、中学3年生を対象にした高校受験用の模擬試験を実施している。

 その模擬試験で、東京学芸大学附属竹早中学校の生徒が、全国1位をとった。ほかにも、好成績の生徒が何人かいた。彼らは、成績を自慢して、浮かれていた。

 すると、うちの生徒が余計(よけい)なことを言った。

「でも、よく考えると、(中高一貫の超進学校である)灘や麻布や桜蔭なんかの人はだれも(高校受験用の)その試験は受けていないんでしょ?」

 そう言われて、全員が、急に、しゅんとなったそうだ。

 まあ、灘中学の3年生なら、高校2年生レベルの数学をやっているようだし、愛知県にある海陽学園(101人中13人が東京大学に現役合格)だと中学2年生あたりから高等学校用の検定済み教科書でいちばんむずかしいとされる三省堂のCrownをやっているという噂があるのだから、中学3年生で高校受験用の実力試験を受けている時点で、2年遅れなのである。

 当校でも、なるべく先取り学習をしてもらいたいと思っているのだけれど、普通の生徒は、英語・数学で2年分先取りすると、あまり勉強をしなくなってしまう。困ったことだ。

 大学受験に関しても、本当に頭がよくて勉強ができる高校3年生は、代々木ゼミナールや河合塾の全国模試は受験しない。本当のハイレベルな高校生にとっては、受験するだけ、時間の無駄だからだ。駿台予備学校のハイレベル模試(もし)にしても、早い時期では受験しない。11月やら、12月やらになって、ちょっと力試(ちからだめ)しに受けてみるかというのがいるだけである(東京大学用の模擬試験や京都大学用の模擬試験なら、図抜(ずぬ)けて頭がいいのに受験する奴はいるだろうけど)。

 なぜ、受験しないのかというと、ものすごくハイレベルな高等学校の場合、自分の所属する高校の学年順位がこれだから、東京大学理科1類は余裕(よゆう)だとわかるから、全国模試を受ける必要がないからである。一方、田舎の県立高等学校の生徒だと、全国レベルでの自分の立ち位置がわからないから、受験するしかない。

 ちなみに私は、現在の駿台予備学校ハイレベル模試に相当する実力試験を1学期に相当する時期に3教科合計で全国2位、偏差値82.4だったが、11月あたりに、超難関中高一貫校の上位の連中が力試しに受験する時期には、自分よりも上に成績優秀な受験生の数が増えた。もっとも、英語の偏差値は70を切ることはなかったけれど。

 国会議員の片山さつきは、駿台予備学校の実力試験で全国1位となっているが、これも1学期に相当する時期に受験したものである。けれども、彼女は官僚になり、フランス国立行政学院École nationale d'administrationに留学しているから、相当に勉強ができたのだろう。1位というのは、どこまで果てしなく勉強ができるのか、判断できないから、どの程度にすごいのか、あるいはどの程度にすごすぎるのか、適切には判断しづらい。ま、すごいのは確かだけどね。

 以上のことから、とりわけ、1学期の時期に、駿台予備学校の全国模試(今でいうハイレベル模試)で、全国2位でしかない私は、じつは、あんまり大したことはないのである。灘や麻布には、わけがわからないくらいに頭のよいのが揃(そろ)っているからな。

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早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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