そのうちの1件は、知名度も高く、客の入りも上々である。つけめんが中心のお店。ドアの横に、「営業中」の看板があって、つぎのように書いてある。
「一生懸命 営業中」
その隣のラーメン屋は、どうやら、ラーメン通の間でだけは知名度があるらしいのだが、一般の人には知られていない店の支店らしい。強気の姿勢である。つけめんがメインの店なのに、つけめんの一種といえる「もりそば」の有名店の隣に敢(あ)えて出店した。値段も隣よりも高い。内装や外観に金をかけている。しかし、客の入りはよくはない。
「魂を込めて 営業中!」
「営業中」の看板まで強気であるが、「強気」以外になにもない店のように見える。
この2件の向かいにあるラーメン屋は、弱気な店構えで、値段は廉(やす)いが、客も来ない。
「無我夢中 営業中!!!」
この店には、ちょっと頑張ってもらいたい。化学調味料アレルギーなので、私は食べないが。
ここからちょっと離れた場所に別のラーメン屋があって、スープも焼豚(チャーシュー)もメンマも、すべてが出来合いのものを買ってきて、丼(どんぶり)に載せるだけの店だったそうだ。スープすら自家製ではないというのは、まずいだろうと思ってしまう。さすがに、1年もしないうちに廃業していた。
「心を込めて 営業中」
その店は、「心」しか込めていなかったらしい。
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