2010年6月17日木曜日

小惑星探査機「はやぶさ」のネーミングについて

 小惑星イトカワから試料を採取してきた探査機の名前は「はやぶさ」である。
 隼という名前が、日本人は好きである。

1) 陸軍一式戦闘機は隼である。
2) スズキ株式会社の大型オートバイは、GSX1300Rハヤブサである。カウルに「隼」の文字がある。
3) 第2次世界大戦の日本軍には加藤健夫(かとうたてお)率いる加藤隼戦闘隊というのがあった。一式戦闘機隼を駆ることから、隼戦闘隊なのだと考えられているが、この戦闘隊は、一式戦闘機隼が配備される前から「加藤隼戦闘隊」という名前であった。
4) 寝台特急に「はやぶさ」というのがあった。
5) 東北新幹線の愛称が「はやぶさ」に決まった。
6) 覆面レスラーに「ハヤブサ」という選手がいる。
7) 「マシンハヤブサ」というアニメ番組があった。
8) 株式会社ハヤブサという釣具メーカーがある。

 人気者だな、隼。鷹(たか)や鷲(わし)は隼ほどではないな。

 隼という猛禽(もうきん)は、急降下速度は鳥類最速で、ときには、時速300kmに達するという。
 速いという点で、小惑星探査機にも「はやぶさ」の名が与えられたのだろうと思っていた。ちなみに、7年で60億kmの旅をした「はやぶさ」の場合、小惑星イトカワに滞在していた期間などを無視して、平均移動速度を算出してみると、つぎのようになる。

60億km÷7年÷365日÷24時間÷60分÷60秒=秒速21km

 宇宙空間では、それほど速いわけではないのだろうけど、地上に暮らす者には、速いと感じてしまう。ちなみに、地球の公転速度はおよそ秒速30kmだ。

 ところが、どうやら、隼の急降下速度が速いということだけから小惑星探査機が「はやぶさ」と命名されたわけではないらしい。

 今回の探査目的地は小惑星イトカワである。イトカワという名称は、宇宙開発・ロケット開発の父とされる糸川英夫に因(ちな)むものだ。この糸川英夫は、第2次世界大戦で活躍した一式戦闘機隼の開発に関わっている。
 もしかすると探査機「はやぶさ」の名は、一式戦闘機隼に因(ちな)むものかもしれない。それ以前の「さきがけ」「すいせい」などとは、異質な命名であることからも、戦闘機の愛称に由来する可能性が高いといえるだろう。本当のところは、どうなんだろう?

[追記]鳥の隼の速度が速いこと、糸川英夫が一式戦闘機「隼」の開発にかかわったこと、それに、JAXA関係者が寝台特急「はやぶさ」で種子島宇宙センターに赴(おもむ)くことが多かったこと、この3点によるものだそうだ。

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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