私立大学では、教員数に対して学生数が多いので、ゼミナール、所謂(いわゆる)ゼミに入れる学生数は限定される。早稲田大学の場合、半分くらいの学生がゼミに入れない所謂(いわゆる)「ゼミなしっ子」になる。
ゼミなしっ子は、1年生と2年生の成績が悪いか、成績がよかったとしても、人格に問題がありそうだということで、ゼミの面接で落とされたか、そういう学生である。
半分の学生はゼミに入れない。ということは、ゼミに入っていないということは、真ん中以下の成績であったと考えてよい。この手の連中は就職活動で大いに苦戦する。
そう考えて、早稲田大学出身の国会議員のプロフィールを読むと、ほとんどの議員は所属ゼミについて書いていない。ということは、ほとんどの議員は、真ん中以下の成績でしかなかったらしいということになる。
衆議院に関しては、うちの選挙区の隣の選挙区に、菅原一秀(選挙用では「すがわら一秀」という表記を採用している)という国会議員がいるが、彼のウェブサイトには、所属したゼミと何を学んだのかが書かれている。わかる人にはわかるように、勉強ができたということをアピールしているのである。
一方、国立大学では、学生数に対する教員数が、私立と較べて多いので、だれでもどこかのゼミや研究室に入れるので、その大学の出身者でなければ、あの研究室だから勉強ができたのだろうなどということはわからない。
しかしながら、私立大学の場合だと、ゼミに入れるのは限られているので、ゼミに入っているというだけで馬鹿ではないということになる。
ところで、ちょっと前の話だが、立教大学で、ある学生の親が、同じ授業料を払っているのに、うちの子がゼミに入れないのは不公平であると訴(うった)えたそうである。
全員がゼミに入れるようにすれば、教員数を増やさなければならず、そうなると、授業料は現行よりも3倍以上になるだろう。さらに、だれでもどこかのゼミに入れるとなれば、日本の1流企業の人事部は、この大学では、なんとかという教授のゼミ出身者は能力が低いということを調べあげるので、3倍以上の授業料を払っても、就職の成果は、今と変わらない。そんなことがわからない親が「同じ授業料」というだけで、アホなことを言っていたのである。親子揃(そろ)って馬鹿だったのである。
2013年4月16日火曜日
2009年2月13日金曜日
立教小学校の算数の問題集に怪人二十面相が登場する理由
立教小学校の算数の問題集に掲載されている問題に、なぜか、怪人二十面相が登場する。
正確には憶えていないが、つぎのような問題であったと記憶している。ひらがな表記の部分も漢字に直してある。
問題
怪人二十面相が、8枚の金貨のうちの1枚を本物よりも軽い贋物(にせもの)にかえました。天秤(てんびん)を2回か3回つかって、贋物を見つける方法を考えなさい。
3回は簡単だが、2回は、ちょっとむずかしい。
3回で見つける方法はつぎのとおり。
答え(3回で見つける方法)
まず、それぞれの金貨に、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)と番号をつける。天秤の左右の皿に載せる。
右:(1)、(2)、(3)、(4)
左:(5)、(6)、(7)、(8)
ここで、軽いグループのほうに贋金貨があるので、そのグループの皿にある金貨をふたたび2つにわけで、左右の皿に載せる。ここでは、かりに、左の天秤が軽かったとする。
右:(5)、(6)
左:(7)、(8)
贋金貨のあるほうが軽いので、軽いほうの皿の金貨2枚をそれぞれ左右の皿に載せる。ここでは、かりに、左の天秤が軽かったとする。
右:(7)
左:(8)
軽いほうが贋金貨である。
つぎに、2回で見つける方法。
答え(2回で見つける方法)
1回目
まず、3枚ずつ、左右の皿に載せる。
右:(1)、(2)、(3)
左:(4)、(5)、(6)
2回目(その1)
ここで、天秤が釣り合った場合は、(7)、(8)を左右の皿に載せる。
右:(7)
左:(8)
軽いほうが贋金貨である。
2回目(その2)
釣り合わなかった場合は、軽いグループの金貨3枚のうちの2枚を左右の皿に1枚ずつ載せる。ここでは、1回目の皿の左側((4)、(5)、(6))が軽かったとする。
右:(4)
左:(5)
ここで、釣り合わなかった場合は、軽いほうが贋金貨である。一方、ここで、釣り合った場合は、残りの(6)が贋金貨である。
さて、これは、どう考えても、怪人二十面相が登場する必然性のない問題である。それなのに、わざわざ怪人二十面相を登場させるのかというと、立教大学・立教小学校の近くに『怪人二十面相』の作者である江戸川乱歩の旧邸があり、のみならず、旧江戸川乱歩邸とその蔵書は立教大学の所蔵となっているからだ。
それにしても、贋金貨を3回、天秤を使って見つけるのはまだしも、2回で見つけるのは、小学4年生にはむずかしすぎると思うのだけれど、立教小学校の生徒だと、大丈夫なんだろうなあ。
2008年12月25日木曜日
立教大学文学部文学科ドイツ文学専修・フランス文学専修
立教大学文学部ドイツ文学専修とフランス文学専修の競争倍率が、シーソーゲームなのである。
ちょっと古いデータだが、2001年と2002年の競争率を記載する。当時の名称は文学部ドイツ文学科・文学部フランス文学科であった。
2001年度 ドイツ文学科 2.5倍 フランス文学科 4.8倍
2002年度 ドイツ部学科 3.4倍 フランス文学科 3.0倍
2001年度では、フランス文学科の競争倍率のほうが高かったのに、翌年の2002年度では、わずかとはいえ、ドイツ文学科のほうが高くなっている。毎年、チェックしているわけではないが、なにかの折りに目にすると、シーソーゲームをしている。
気になっていたので、考えてみた。
立教大学は女子生徒にとっては憧れの大学である。煉瓦造りの校舎は、耐震性には問題はあるもの、雰囲気は抜群である。池袋という山手線の駅の近くにあるから、立地条件もよいといえる。女子学生の就職は良好である。
どうしても立教大学に進学したいという女子生徒の存在は想像に難くない。それも、伝統を重んずるのであれば、池袋キャンパスに限定したくなるだろう。埼玉県新座市にある新座キャンパスで授業を受けなければならない学部は避けたいと考える人がいるのも理解できる。
以上の条件で、合格しやすそうな学部学科を検討しよう。
まず、池袋キャンパスにある学部はつぎのとおり。
文学部・経済学部・理学部・法学部・異文化コミュニケーション学部・経営学部・社会学部
比較的新しい学部は、就職において採用する側の企業にとって、どういう人材が多いのかがわからないことから就職には不利になることが多いので、異文化コミュニケーションと経営学部は脱落する。
残ったなかで、理系学部である理学部も脱落する。
文学部・経済学部・法学部・社会学部が残ったが、これらの学部の中で合格しやすいのは文学部である。
つぎに、文学部で狙い目になるのはどこかを考える。
ちなみに、現在、文学部は、キリスト教学科・文学科・史学科・教育学科の4つの学科にわかれており、文学科には、「英米文学専修」「ドイツ文学専修」「フランス文学専修」「日本文学専修」「文芸・思想専修」の5つにわかれている。
学科・専修の実質倍率を眺めると、安定して実質倍率が低めなのは、ドイツ文学専修とフランス文学専修である。日本文学専修の実質競争倍率が低いときもあるが、ドイツ語やフランス語を学ばなければならないわけではないので、高くなったり、低くなったりして、不安定な競争倍率の変化を見せる。
となると、ドイツ文学専修とフランス文学専修のいずれかを選ぶべきである。ここで、どうしても立教大学池袋キャンパスで学びたいと考える女子受験生は、受験年度の前年の競争率を参考にする。2007年度の個別学部日程での実質倍率を見てみよう。
2007年度(個別学部日程) ドイツ文学専修 4.3倍 フランス文学専修 4.4倍
フランス文学専修のほうがわずかにドイツ文学専修を上回っている。これだけなら、好みで選べばよいのだが、募集定員の少ない全学部日程は、倍率が大いにちがっていた。
2007年度(全学部日程) ドイツ文学専修 6.8倍 フランス文学専修 8.1倍
募集定員が少ないからさほど参考にはならないはずだが、人間というものは、こういう数字に惑わされてしまい、合格しやすい学部・学科・専修は文学部文学科ドイツ文学専修だと思ってしまう。
以上の考察から、2007年の時点で、2008年度の入試では、「どうしても立教大学池袋キャンパスで学びたい」という受験生がドイツ文学専修に集まることになり、その結果、合格しやすい学部・学科は、むしろ、文学部文学科フランス文学専修だと推測できるのである。
先日、立教大学のウェブサイトで2008年度入試の結果を閲覧した。
予想どおりであった。
2008年度(個別学部日程) ドイツ文学専修 4.1倍 フランス文学専修 3.4倍
以上のことから、2009年度の入試では、「どうしても立教大学池袋キャンパスで学びたい、学部・学科は問わない」という人には、ドイツ文学専修がお奨めとなる。
立教大学池袋キャンパスにある学部だったら、なんだっていいと考える受験生が増えても、実質的な競争は変わらないのではないかと正論は吐(は)かないように。
追記(2009年9月21日):
立教大学のウェブサイトで2009年度入試の倍率が掲載されていた。
全学部日程 ドイツ文学専修 6.1倍 フランス文学専修 6.3倍
個別学部日程 ドイツ文学専修 3.7倍 フランス文学専修 5.7倍
以上のことからわかるように、どうしても立教大学池袋キャンパスで大学生活を過ごしたい女子の高校生には、2010年度の入学試験では、フランス文学専修がお勧めだということがわかる。
まあ、この手のシーソー現象というのは、中学受験でも高等学校受験でも、学校と学校の間ではきわめて頻繁(ひんぱん)に起こっていることなんだが。同一大学・同一学部内でというのは、あまり目立たないので、指摘してみたんだな。
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自己紹介

- 掃除機庵主人
- 和歌山県, Japan
- 早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。
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