2008年12月25日木曜日

立教大学文学部文学科ドイツ文学専修・フランス文学専修

 立教大学文学部ドイツ文学専修とフランス文学専修の競争倍率が、シーソーゲームなのである。
 ちょっと古いデータだが、2001年と2002年の競争率を記載する。当時の名称は文学部ドイツ文学科・文学部フランス文学科であった。

  2001年度 ドイツ文学科 2.5倍 フランス文学科 4.8倍
  2002年度 ドイツ部学科 3.4倍 フランス文学科 3.0倍

 2001年度では、フランス文学科の競争倍率のほうが高かったのに、翌年の2002年度では、わずかとはいえ、ドイツ文学科のほうが高くなっている。毎年、チェックしているわけではないが、なにかの折りに目にすると、シーソーゲームをしている。
 気になっていたので、考えてみた。
 立教大学は女子生徒にとっては憧れの大学である。煉瓦造りの校舎は、耐震性には問題はあるもの、雰囲気は抜群である。池袋という山手線の駅の近くにあるから、立地条件もよいといえる。女子学生の就職は良好である。
 どうしても立教大学に進学したいという女子生徒の存在は想像に難くない。それも、伝統を重んずるのであれば、池袋キャンパスに限定したくなるだろう。埼玉県新座市にある新座キャンパスで授業を受けなければならない学部は避けたいと考える人がいるのも理解できる。
 以上の条件で、合格しやすそうな学部学科を検討しよう。
 まず、池袋キャンパスにある学部はつぎのとおり。

  文学部・経済学部・理学部・法学部・異文化コミュニケーション学部・経営学部・社会学部

 比較的新しい学部は、就職において採用する側の企業にとって、どういう人材が多いのかがわからないことから就職には不利になることが多いので、異文化コミュニケーションと経営学部は脱落する。
 残ったなかで、理系学部である理学部も脱落する。
 文学部・経済学部・法学部・社会学部が残ったが、これらの学部の中で合格しやすいのは文学部である。
 つぎに、文学部で狙い目になるのはどこかを考える。
 ちなみに、現在、文学部は、キリスト教学科・文学科・史学科・教育学科の4つの学科にわかれており、文学科には、「英米文学専修」「ドイツ文学専修」「フランス文学専修」「日本文学専修」「文芸・思想専修」の5つにわかれている。
 学科・専修の実質倍率を眺めると、安定して実質倍率が低めなのは、ドイツ文学専修とフランス文学専修である。日本文学専修の実質競争倍率が低いときもあるが、ドイツ語やフランス語を学ばなければならないわけではないので、高くなったり、低くなったりして、不安定な競争倍率の変化を見せる。
 となると、ドイツ文学専修とフランス文学専修のいずれかを選ぶべきである。ここで、どうしても立教大学池袋キャンパスで学びたいと考える女子受験生は、受験年度の前年の競争率を参考にする。2007年度の個別学部日程での実質倍率を見てみよう。

  2007年度(個別学部日程) ドイツ文学専修 4.3倍 フランス文学専修 4.4倍

 フランス文学専修のほうがわずかにドイツ文学専修を上回っている。これだけなら、好みで選べばよいのだが、募集定員の少ない全学部日程は、倍率が大いにちがっていた。

  2007年度(全学部日程) ドイツ文学専修 6.8倍 フランス文学専修 8.1倍

 募集定員が少ないからさほど参考にはならないはずだが、人間というものは、こういう数字に惑わされてしまい、合格しやすい学部・学科・専修は文学部文学科ドイツ文学専修だと思ってしまう。
 以上の考察から、2007年の時点で、2008年度の入試では、「どうしても立教大学池袋キャンパスで学びたい」という受験生がドイツ文学専修に集まることになり、その結果、合格しやすい学部・学科は、むしろ、文学部文学科フランス文学専修だと推測できるのである。
 先日、立教大学のウェブサイトで2008年度入試の結果を閲覧した。
 予想どおりであった。

  2008年度(個別学部日程) ドイツ文学専修 4.1倍 フランス文学専修 3.4倍

 以上のことから、2009年度の入試では、「どうしても立教大学池袋キャンパスで学びたい、学部・学科は問わない」という人には、ドイツ文学専修がお奨めとなる。

 立教大学池袋キャンパスにある学部だったら、なんだっていいと考える受験生が増えても、実質的な競争は変わらないのではないかと正論は吐(は)かないように。

追記(2009年9月21日):
 立教大学のウェブサイトで2009年度入試の倍率が掲載されていた。

全学部日程 ドイツ文学専修 6.1倍 フランス文学専修 6.3倍
個別学部日程 ドイツ文学専修 3.7倍 フランス文学専修 5.7倍

 以上のことからわかるように、どうしても立教大学池袋キャンパスで大学生活を過ごしたい女子の高校生には、2010年度の入学試験では、フランス文学専修がお勧めだということがわかる。
 まあ、この手のシーソー現象というのは、中学受験でも高等学校受験でも、学校と学校の間ではきわめて頻繁(ひんぱん)に起こっていることなんだが。同一大学・同一学部内でというのは、あまり目立たないので、指摘してみたんだな。



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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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