関西などの他地域の国立大学附属高校の過去問をamazonやブックサービス(旧・クロネコブックサービス)などで、できるだけ購入して、ひたすら解く。これである。
細かいことをいうと、この高校ならば、〇〇教育大学附属高校と××教育大学附属高校の過去問集を解くように指定するのが望ましいし、また、信頼できる塾講師に問題の取捨選択を依頼するのが望ましい。しかしながら、初めから、関西などの国立大学付属高校の2年前・3年前の過去問などを夏休みや9月以降の演習で解かせていない塾・予備校だと、出題傾向や問題分析が充分ではないと考えられるので、あまり信用できない。
とりわけ関西圏を中心とする地域の国立大学附属高校の過去問を演習するのが有効であるのは、なぜか?
どんなに難問を出そうとしても、都立高校や国立大学附属高校は、文部科学省の指導要領を逸脱した出題ができない。となると、いわば文科省の「縛り」のなかで難問を出すということになる。すると、同じようなものしか作問できない。さらには、関西以西のほうが、首都圏よりも新作問題を出題する傾向がある。これは、私立中学の受験でも、同様の傾向があり、関西で出題された新作問題が数年後に首都圏でも出題されるということがよくある。
自校作成問題の特徴としては、現代文の場合、これまでに出題されていない作家・評論家を出したがる場合と、古典と呼んでよいくらいに古い作家・評論家を出題したがる場合とがある。
近年の例を挙げる。脳科学の茂木健一郎(関係ないけど、彼はHAL496の近所に住んでいて、ジョギングしていたりする)が書く内容は、それまでの高校入試では出題されなかったタイプの内容であった。少なくとも3年前の時点では、既存の問題集を解くだけの中学生には、彼の文章に盛り込まれているアイデアに触れる機会がなかった人が多いはずである。こういう題材を出題することで、塾で叩き込まれた知識だけではなく、地頭のよさ・もって生まれた知能の高い人間を確保しようとするわけだ。ところが、首都圏の高校教師は、やや保守的な部分があるのか、率先して新しい題材を出題しようとしない。「こんな新しい内容のものを高校入試で出題してもいいのか!?」と批判されるのを怖れているのかもしれない。しかし、たとえば、大阪教育大学平野校舎や京都教育大学附属高校で出題されると、「どこそこで出題されているから」と弁解できるので、出題してくる。平成18年2月の入試で都立日比谷高等学校は茂木健一郎の文章を出題したが、じつはそれに先立って、関西以西の国立大学附属高校が茂木健一郎を出題していた。そこで、都立大泉高校くらいにしておいたほうがいいと言うのも聞かずに日比谷を受験する生徒に、茂木健一郎の文章を読ませたところ、見事に出題されていた。これでなんとか滑り込んだかと思ったが、だめだった。出題を的中させるのは得意なのだが、うまくいかない。
つぎに数学について述べると、指導要領の枠の中で出題しなければならないので、証明問題はもちろん、むやみやたらに「動点」の問題と作図問題がよく出題される。「動点」の問題というのは、点pが1秒につき2センチメートルずつ移動するというやつだ。こうしたタイプの問題に慣れるためにも、あちこちの国立大学附属高校の過去問に当たっておくのが有効な対処法なのである。それに、従来にはない新作問題にも触れられる。
追記:2009年2月10日から20日あたりに検索でこの記事を読んで、地団太を踏んだ人が少なからずいたようだ。もちろん、都立高校の自校作成問題の直接的対策には、すでに述べたように、西日本の国立大学附属高校の過去問を中心に演習するのが適切だが、直前になって、この記事に書いてあることを知った場合、amazon.co.jpや「ブックサービス」(クロネコのヤマト運輸のヤマトホールディングスが運営している)で購入しようにも、入手は難しい。直前の場合には、いわゆる「電話帳」を買って、国立大学附属高校の過去問をピックアップして解くしかない。「電話帳」とは、下に貼りつけたようなものをいう(こんなものをいちいち買ってはいけない。塾で必要なところをコピーすればよい)。▼国公立に限らず、入試問題は「西から流れてくる」といわれており、借用したり、流用したりするのは2、3年前のものが多いので、やはり、「電話帳」よりも、似たレベルの国立大学附属高校の過去問集を、適切に問題の取捨選択を行なって、解くのがより効果的であろう。▼入試日直前の場合は、「電話帳」に掲載されていない国立大学附属高校の過去問もあるが、『全国高校入試問題正解』が数年分、保管してある学習塾で、コピーできるものをコピーして解くしかないだろう。▼それにしても、こうしたことを知らない学習塾って、どんなところなんだろうか?
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