私が運営している予備校・学習塾Integrated Prep. School HAL496(rationis Heuristico-ALgorithmicae 496)では、入学試験問題の解説にあたっては、生徒の前で初見で問題を解く。事前に解答・解説を用意して、初めからエレガントな解法を示すのではなく、どういう語句に注意して問題文を読んでいるかとか、どういうことを手がかりにして解くのかなどを、実際にやってみせるのである。また、英語や国語の場合には、あらかじめ選択肢を読んでから、この選択肢は正解である確率が高いなどということを指摘してから本文を読み、その上で、再び選択肢に検討を加えるということをしたりもする。
そうなると、思考レベルとしては高くはない次元のことであっても、脳を使うことになるので、入学試験の直前の3か月は毎日、厚揚げ2個と納豆を食べることとなる。それくらいに、レシチンの消費が激しいのである。
別の事例を挙げよう。
昨年の10月末に自転車で自損事故を起こした。猛烈な勢いで90°にターンして、ウイリーで階段をのぼろうとして失敗した。頭蓋骨に亀裂骨折2箇所・右頬の陥没骨折・眼窩底骨折(がんかていこっせつ)と散々な目に遭(あ)い、集中治療室に入った。集中治療室に入るのは2度目だった。最初の入院先は順天堂練馬病院で、症状が安定してから、手術を行なうにはスタッフが充分に揃っていないということで、御茶ノ水にある順天堂医院へと転院となった。
視神経の治療を化学療法で行ない、ある程度、視力を回復させてから、右頬陥没ならびに眼窩底骨折に対する形成外科手術を行なうという。化学療法というのは、要するに、薬物で治療するということ。
形成外科手術をするまで、相当に時間があるので、これを機会にいろいろと論文などを読んでおこうと考えた。ところが、数日すると、どうにも、読む気力がなくなってきた。理由を考えた。司馬遼太郎の小説とはちがって、頭を使って考えながらでないと読めないものなのに、病院食のメニューではレシチンが足りないということに気がついた。
そこで、院内の売店で豆腐とゆで卵を買って食べるようにした。納豆は4人部屋なので控えた。すると、もとのように、小難しい本が読めるようになった。
ところが、売店で売っている豆腐にだんだんと飽きてきた。それで、病院の外に出て、コンビニなどでいろいろな種類の豆腐や卵を買った。そんなこんなで数日が過ぎ、ある日、御茶ノ水から東京大学の赤門まで散歩した。おいしそうな豆腐を買おうと、途中、目につく小売店やコンビニに立ち寄った。多少の波はあるが、御茶ノ水(駿台予備学校のあるところ)から、東京大学赤門に近づくにつれて、店に置いてある豆腐と納豆と卵のグレードが上がっていったのである。
こんなところでも東京大学らしさがうかがわれるというのが、すこぶるおもしろかった。
究極は、赤門の真向かいにあるナチュラル=ローソン(Natural Lawson)東大赤門前店である。
1個100円くらいの卵が売っていた。
私が買うのはせいぜい1個60円くらいまでのものなので、これにはびっくり。もしかすると、2007年11月の時点で、たまたま試験的に置いていただけかもしれないけど。
早稲田ではどうだったかなと考えた。学生のときは新宿区早稲田町に下宿していて、ほとんどすべてを自炊していた。自炊のための買い物は地下鉄東西線早稲田駅近くのスーパーマーケット「三徳」早稲田店で済ませていたが、豆腐や卵に関して、いろいろと置いてあって、べつだん不満はなかったと記憶している。いちおう高級食材を中心に扱う店だから。東京では珍しい大粒の納豆が売っていたのをうれしく思った記憶があるくらいかな。東京では小粒納豆やひきわり納豆がよく売れるが、関西人には納豆は食べないのが圧倒的であるが、それでも納豆好きはいて、関西の納豆好きに売れるのは大粒の納豆なんだな。
蛇足ながら、2008年10月19日に麻生太郎首相が視察したスーパーマーケットは三徳の西早稲田店だよん。
勉強と食事、あるいは頭を使う際に必要な物質(その1)
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