2008年12月24日水曜日

『悪問だらけの大学入試――河合塾から見えること』(その3)

 もちろん、河合塾が指摘するとおり、悪問と呼べるものが多数存在する。しかし、大学入試の出題者は、意識的に悪問を出題しているようであり、そのことを指摘して、受験指導に役立てるようにするべきであろう。
 そもそも、私立文系の場合、大学側は社会科の選択科目で「稼ぎ逃げ」をする学生は好まないようである。だから、日本史・世界史・地理などで稼ぎ逃げができないように難問を出すのだ。関西の大学に見られるのだが、英語・国語・日本史(世界史・地理)の配点を、英語200点・国語150点・日本史(世界史・地理)100点という具合に傾斜配点にして、英語・国語が苦手な受験生が合格しにくくする。
 同じ配点にしているところは、そのかわりに、難問・悪問を多くしている。
 社会科の選択科目で得点を稼いだ学生が、入学後の大学での成績ではあまり成績が振るわないというデータもある。
 内部でしか明らかにされなかったのであるが、小論文導入以前の早稲田大学第一文学部(現在の早稲田大学文学部。昔の東京専門学校文学科・哲学科)で、過去10年分の入学者の入学試験での得点状況と入学後の成績との相関関係を調べ上げたことがある。結果はというと、入学試験での英語の成績は入学後の大学での成績に強い相関関係があったが、日本史・世界史などの社会科では、あまり相関関係が見られなかったそうだ。つまり、入試での英語の成績のよかった者は大学での成績もよく、英語の成績の悪かった者は入学後の成績も悪いという傾向にあったわけである。その一方で、日本史や世界史で高得点であった者は、成績がよい傾向にあるわけでもなく、入学後の学業成績にはなんの関係もなかった。
 入学試験での日本史や世界史の成績のよさが、入学後の学業成績をなんら担保しないのであるなら、入学試験としてあまり意味があるとはいえず、単に浪人生に有利になるだけにすぎないということから、選択科目をなくして、英語・国語・小論文という形式に変更したそうである。(もっとも、これは後に、西洋史学専修・東洋史学専修・日本史学専修の人材不足を招いたことから、再び日本史・世界史を受験科目に加えたようだ。)
 難問・悪問を出題する大学は、どうも、社会科で得点を稼ごうとはせず、英語・国語に力を入れなさいというメッセージを発していると私は考えている。

追記:以下のリンク先の記事が、何者かによってGoogleの「検索結果から除外」にされていた。


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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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