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2014年4月3日木曜日

偏差値32だった生徒が偏差値60台の高等学校に進学したときの話

彼は小学6年生の終わり頃に、近所の学習塾に入れられた。

ところが、dをbと書き間違えたり、catを「バット」と読んだりした。漢字の読み書きができないということで、小学校1年生の漢字の書き取りからさせられた。

一方、同じ塾に、隣の小学校・中学校の生徒で、いちばん上のクラスにいる女子生徒がいた。

彼は実力試験で偏差値32だった。

偏差値というのは、正規分布(せいきぶんぷ)の場合、偏差値63で100人中10番で、偏差値75で1000人中3番くらいである。

逆に、偏差値37では、100人中ビリから10番である。

親御さんも祖父母も、偏差値32というのはまずい、高校に進学できないかもしれないと思った。

そこで、祖父母の提案で、彼は当校に入校することとなった。

片道1時間20分くらいをかけて、土曜日と日曜日に来た。土曜日に当校に来て、近所にある祖父母宅に泊まって、日曜日にも勉強をした。

最初のころは、4時間くらいしか勉強できなかった。それでも祖父母は、孫が4時間も勉強しているのを喜んだ。

身長が伸びて、体力がつくと、土曜日・日曜日に、当校で、7時間から8時間、勉強した。行き詰まったときには、ヒントを出して、自分の脳を使って、問題が解けるように指導した。

中学3年生の3者面談で、英語が得意なようですねと、担任の数学教師が言ったとき、母親は、1年生のときと2年生のときのクラス担任が英語の先生だったからでしょうと答えたが、彼は、塾の先生のおかげですと言った。

彼は偏差値60台の高等学校に合格した。偏差値にして、29上昇していた。これは当校の中学生の新記録である。ちなみに、最低記録は毎日通って、偏差値が17しか上昇しなかった例があるが、それでも、他塾よりはすごい実績である。

偏差値が29も上昇したことで、祖父母は大いに喜んだ。

大学受験だと、短期間で偏差値が35上昇したという例があり、このことを話したところ、祖父母はちょっとがっかりしながら、大学受験だと、気合が入っているので、それくらい伸びる人もいるんでしょうねと言った。

大学受験だと、大学によっては、強い「癖(くせ)」のある問題を出すところがあるので、対策がしやすいという部分がある。

合格後、彼が、制服の採寸(さいすん)と教科書を受け取りにその高校に足を運んだところ、以前の学習塾で最上位のクラスにいた女の子がいた。

「あら、◯◯くんもこの高校に合格したの?」と話しかけてきた。

その高校には、4つのコースがあり、それぞれの難易度は違う。彼の進学したコースは、てっきりいちばん下のコースだと彼女は思い込んでいた。そりゃあ、dをbと書き間違えたり、catを「バット」と読んだり、小学校1年生の漢字の書き取りからさせられていたんだから、そう思うのは不思議ではない。

ところが、同じコースだと知ると、その女子生徒は凍(こお)りつき、それ以降、話しかけてくれなくなり、近づいてもくれなくなったという。

彼がこのことを話したところ、母親は腹をかかえて大笑いしたという。

2014年3月26日水曜日

都立高校英作文必勝法

これは難関都立高等学校が行なう自校作成問題(一般の都立高等学校の入学試験問題よりも、はるかに難しい)の英語の問題のことではなく、一般的な都立高等学校の英作文の対策である。

以下に、事例(じれい)を挙(あ)げてみよう。

長くはない英文の後で、ひとつ、問題文に関する問いがあり、そのつぎに、英作文の問題が出される。

事例(1)
あなたも自由な時間の過ごし方についてスピーチをすることになりました。あなたが自由な時間にすることを一つ取り上げ、そのことについて、三つの英語の文を書き表しなさい。

第1文
I play baseball.
ぼくは野球をします。

第2文
It is interesting.
それはおもしろいです。

第3文
I really think so.
ぼくは本当にそう思います。

事例(2)
あなたも、外国人に住んでいる友人に手紙を書くことになりました。あなたが、友人に伝えたい感動した出来事を一つ取り上げ、そのことについて三つの英語の文で書き表しなさい。

第1文
I watched the movie The Lion King.
私は『ライオン・キング』という映画を見ました。
註(ちゅう):I watched The Lion King.としても、減点されないだろうし、減点されたとしても少しだろう。なお、上記の英文は、手書きの場合には、I watched the movie The Lion King.とイタリック体(斜体(しゃたい))のところは、普通にブロック体で書いて、下線を施(ほどこ)す。
また、I watched The Lion King.としても、レベルが高くない高等学校なら、減点されないだろう。

第2文
It was interesting.
それはおもしろかった。

第3文
I really thought so.
私は本当にそう思いました。

事例(3)
このスピーチを聞いた後で、あなたはHarukaに何をしたらよいか助言することになりました。あなたがHarukaに助言したいことを一つ取り上げ、そのことについて、三つの英語の文で書き表しなさい。

第1文
You should take her a nice  Japanese restaurant.
あなたは彼女を素敵な日本食のレストランに連れて行くべきです。
または、
You should be kind to her.
あなたは彼女に親切にしなければなりません。

第2文
It is important to do so.
そうすることは重要でしょう。

第3文
I really think so.
私は本当にそう思います。

事例(4)
あなたは、人の役に立つために取り組んでみたいことについて授業で発表することになりました。あなたが取り組んでみたいことを一つ取り上げ、そのことについて三つの英語の文で書き表しなさい。

第1文
I want to be a doctor.
私は医師になりたい。

第2文
It is important to be so.
そうなることは重要です。

第3文
I really think so.
私は本当にそう思います。

以上のほかにもバリエーションがある。

I was moved.
私は心を動かされた。→私は感動した。
I really felt so.
私は本当にそう感じた。

自校作成問題の高等学校でなければ、この程度の内容で充分である。きわめて短時間で攻略(こうりゃく)できる。少なくとも12点中8点は得点できる。

ところが、ある年、以上のパターンでは答えにくい問題が出された。このテクニックで得点をする受験生に腹を立てた出題者なのであろう。

しかし、すぐに、英語が苦手でも12点中8点は得点できる問題に戻った。

これは、たぶん、あまり難しくすると、0点が続出して、問題として意味をなさないからであろう。

そのほかのテクニックとしては、表現や単語の綴(つづ)りに自信がなければ、入試問題の英文から、いろいろと借用(しゃくよう)して、利用するという方法もあるが、英語が苦手すぎると、この方法は利用できない場合が多くなる。処理速度(しょりそくど)が遅いなどの理由からである。

2014年3月2日日曜日

成績が伸びすぎる学習塾・予備校の経営上の難点

経営上の難点はいろいろとある。

1)両親の学歴を軽く超えるの確実になると、退塾させられる生徒が出現する。

とりわけ、女子生徒の場合、経験上、6割はやめさせられる。

東京の東部(大卒率が30%未満や25%未満の地域)にある大手進学塾では、上から2番めのクラスの女子生徒をいちばん上のクラスに上げると、ふっとやめてしまう事例が多発しているので、一般的な基準であるいちばん上の上のクラスの平均点を超えたら上げるは適用せず、女子生徒の場合は、なるべく上のクラスには上げないようにという通達が出されたことがあるくらいである。

2)あまりにも短期間に成績が伸びるので、簡単な仕事なのではないかと思うらしい。

その結果、受講料を値切る親が出現する。

また、勝手に月謝袋の中身を千円や2千円少なくする親も出現する。

プリント作成にかかる作業工数などを説明し、当校のように個別対応型の塾では、プリント作成に関しては、少品種大量生産ではなく、多品種少量生産なので、これでもぎりぎりの受講料なのだと説明しても、一定レベル以上の知的な仕事をしたことがない女性やパソコンを使いこなせない女性は、論理的には多少は理解しても、感情の点では受け入れられないようである。

こうした場合、即座に退塾処分にしている。家庭環境ゆえに伸び代(しろ)が少ないのが判明したからである。

3)口コミが少ない。

あまりにも効率よく成績が上がり、周囲から、「やればものすごくできる子」と思われる。すると、その評価を下げたくないので、こんなすごい塾・予備校に通ったからですとは言いたくなくなる。

ある事例では、偏差値34から、高校3年生の8月から受験勉強を始め、立教大学に合格して、早稲田大学商学部には、0.052差で不合格になった生徒がいる。その生徒が大学生のときに、同じ部活動の後輩に受験で相談を受けても、当校を紹介しなかった。

また、別の事例では、当校入校時に「2」が6個、「3」が3個の成績で、学年順位は134人中110番台だったという生徒がいる。ところが、当校入校後、成績が上がり、周囲から、「どこの塾に通っているの?」と訊かれて、「あなたが通えないくらい遠くの塾よ」と答えた。

4)あまりにも成績の伸びがよすぎるので、はったりをかましているのではないかと疑われる。

私は小学2年生のときに実施された知能指数検査では、時間内にすべてを解き終えた。だから、知能指数は160以上はあった。

そういう人間には見えるけれども、そうでない人には見えないことがある。

その観点から受験校の対策を講じる。

しかしながら、とにかく暗記さえすればよいとような小学校の勉強や中学校の定期試験のための勉強は、受験に関しては無駄が多い。小学校のときにオール5だったのに、中学校で失速し、高等学校で終わってしまった人は、勉強方法を間違えているのだけれども、その間違いに気づいていない。「暗記量が足りなかった」と反省する。

これがわからない人は多い。

2014年2月16日日曜日

かつて「1ドル=360円」だった理由を勘違(かんちが)いしていた生徒

1971年までは「1ドル=360円」の固定相場制(こていそうばせい)だった。

その理由を勘違(かんちが)いしている生徒がいた。

円の中心が360°だから、360円になっていると思い込んでいた。

実際は、1871年の「新貨条例(しんかじょうれい)」を定め、正式に「円」が通貨単位になった際に、貨幣(かへい)に含(ふく)まれる金や銀の量から、だいたい「1ドル=1円」となった。

その後、日本はインフレーション[inflation通貨膨張(つうかぼうちょう)]を続け、大東亜戦争終結後には、戦時国際(せんじこくさい)を換金(かんきん)したので、空前のインフレーションとなり、1949年に「1ドル=360円」となった。

それにしても、「円の中心は360°である」→「1ドル=360円」と考えたのは、ある意味、特殊な才能であろう。

しかしながら、もしも「1円=360ドル(または360セント)」から、「円の中心は360°であるからだ」と考えるほうが自然な気がしなくもないが……。

2013年10月4日金曜日

2016年度末に和歌山県立伊都高等学校が廃校になる。

和歌山県立伊都高等学校といえば、その前身は旧制中学校である。その高校が少子化が影響しているとはいえ、廃校になるのである。

私が早稲田大学に進学したときに、元=高等女学校だった高等学校の出身だというと、相当に驚かれた。「掃除機くんって、中学生のときは馬鹿だったの!?」というぐあいだった。

いやいや、学区ではいちばん難しい高等学校だと言っても、元=旧制中学校の高等学校が2番手というのはわけがわからないという反応が返ってくる。どんな地域でも元=旧制中学校の高等学校が1番手なのである。

では、なぜ、元=高等女学校である和歌山県立橋本高等学校が、地域ナンバーワン校になったのか?

大学の進学実績が、元=旧制中学校だった和歌山県立伊都高等学校を上回ったからである。

しかし、昭和20年代なら、中学校の成績のよい者は、一般的には、元・旧制中学校である高等学校に進学するものであった。しかし、それでも、進学実績で元=高等女学校の高等学校に負けてしまった。

当時の和歌山県では、地元優先であった。橋本高等学校なら橋本市民が優先され、伊都高等学校なら高野口町民が優先され、笠田高等学校普通科ならかつらぎ町民が優先された。

平成の大合併を実施する前は、和歌山県伊都郡には、かつらぎ町・高野口町・高野町・九度山町があり、それに加えて橋本市があった。橋本市の住民は橋本高等学校にちょっと上げ底をして合格させてもらえるが、伊都高等学校には上げ底をしてもらえない。伊都高等学校のある高野口町の住民は元=旧制中学校である伊都高等学校に上げ底で入学できる。

この点から、高野口町の住人は頭が悪くて、橋本市民は頭がよいと考えた市会議員がいた。

しかし、この判断は間違っているだろう。

昭和20年代に、新制高等学校になって、元=旧制中学校だった高等学校に進学したがる人は多かったにちがいない。

もともとの才能が高かったのに、伊都高等学校に進学したばかりに大学進学で失敗した生徒は少なくないだろう。

教え方が同じであれば、生徒の潜在的な能力に応じた結果となるはずだが、伊都高等学校は、どういうわけか、元=高等女学校である橋本高等学校に進学実績でボロ負けだった。

ということは、伊都高等学校の教員に問題があったと考えられる。

和歌山県は日本共産党を始めとして、左翼が多い。左翼系、あるいは極左系の教員が、伊都高等学校を牛耳(ぎゅうじ)っていたと考えると、納得(なっとく)しやすい。

一般に、左翼系の教員は、全員の学力を上げることで平等を目指すのではなく、全員の学力を下げることで平等にしようとする傾向にある。

一旦(いったん)、校風ができあがると、それを壊すのはむずかしい。生徒の学力を上げない校風ができあがったと思われる。

さすがに、元=旧制中学校である伊都高等学校の偏差値が30台になっているのを目にしたときには、一体、何が起こっているかと思ったものだった。

GHQは日本を弱体化させるために、エリート教育をなくそうとした。学区を小さくすることで、エリート校がないようにしようとした。東北地方などは、それに抵抗し、広い学区を維持したが、しかし、関西はGHQの言うとおりにした。

その結果、和歌山県の橋本市と伊都郡に関しては、勉強のできる者は、ある年齢から上は旧制伊都中学校出身で、下の年齢層では橋本高等学校出身になった。それで、幅広い年齢層での連携がやりにくくなった。自分の出身高等学校とは違う学校出身者とは、親しくなりにくい。「先輩」ではないからだ。

和歌山の経済が沈下しているのには、GHQの思惑(おもわく)が影響しているようだ。それに乗っかった左翼系教員の罪は重い。

2013年6月14日金曜日

偏差値の割に大学進学実績のよい都立高校があったので、調べてみた。

 このくらいの偏差値なら、大学進学の実績はこのくらいになるというのがわかる。

 ところが、高校受験の合格偏差値の割に大学進学の実績が高すぎる高校があった。

 調べてみたところ、その高校は吹奏楽が盛んで、日本一にもなったことがあった。

 音楽系の私立高校は授業料が高い。たとえば、桐朋女子高等学校音楽科の初年度納付金は1,967,400円である。200万円近くかかる。

 国立大学の附属高校でも、実技で合格するためには、かなりの金額のレッスン料を払って、その高校で好かれる演奏法ができるようにしなければならない(らしい)。

 将来、プロになるために、いくらでも資本を投下してもかまわないと考えることがなければ、公立高校という選択肢しか残らない。

 すると、吹奏楽が盛んなくだんの都立高校くらいしか選択肢に残らない。その場合、とりわけ、女子生徒に多いようなのだが、偏差値で15以上も高い学力がありながら、その高校に進学する生徒が多くなる。

 また、音楽が得意な者は数学の才能が高いというデータもある。音楽に関わる脳の部分と数学に関わる脳の部分は近接しているということらしいし、たとえば、ある年度の早稲田大学理工学部数学科では60人中、楽器の演奏のできる者が57人だったというデータもある。

 その結果、偏差値と較べて高い大学進学実績となる。

 偏差値の割には高学力の生徒がいるので、それにつられて、所謂(いわゆる)、ピア効果で、学力が引き上げられる例がありそうだ。ピア効果とは、まず、ピアpierは「同僚」などの意味で、自分が所属する集団に高学力で勉学に励(はげ)むものがいると、それに引っ張られて、学力が上がることをいう。

2013年5月5日日曜日

入学試験で朝日新聞の記事が出題されると言われるけれども、じつは、漢字の書き取りだらけである。

 どういうわけか、大学入試で朝日新聞の記事が最も出題されていると信じている人が多い。確かに、出題された回数では、いちばん多い。

 ところが、朝日新聞の記事を出題しているのは、所謂(いわゆる)Fランク=レベルの大学ばかりである。

 しかも、そのほとんどは、漢字の書き取りなのである。

 国語力が著(いちじる)しく劣(おと)る中学生を対象に「天声人語」を書き写させるという指導方法がある。これは、所詮(しょせん)はその程度の文章であるにすぎないことを意味する。言語能力の高い中学生なら、すらすらと読みこなせる程度の内容でしかないし、論の進め方がワンパターンである。

 そんなものが入学試験で使えるわけがない。

 すると、中堅大学あたりでは、大手マスメディアを通じて浅薄(せんぱく)な左翼思想はわかるが、それ以外の思想がわからない受験生を対象に、その場で新たな思想を理解できるかどうかを試すために、産経新聞あたりに掲載された論説・評論を出題する場合が少なくないのである。

 30年くらい前だと、朝日新聞のつぎによく出題されたのは、小林秀雄だったが、これまた、漢字の書き取りがほとんどだった。

 2013年のセンター試験の現代文で小林秀雄の随筆が出題され、国語の平均点が異常までに低くなったが、小林秀雄の文章は行間が飛びすぎているので、今の高校生には的確には理解できないものであったにちがいない。出題者は、30年くらい前によく出題されていたという思い込みにとらわれていたのであろう。よく出題されていたといっても、漢字の書き取りばかりだったのだけれども、そこを見落としていたのだろう。

 たぶん、出題者は頭がよすぎたのだろう。自分がすいすい理解できるから、このくらいの問題で大丈夫だろうと思ったのだろうな。

 なお、中学受験でよく出題されるものに関しては、大学受験とは異(こと)なる。

2013年4月30日火曜日

都立高校の自校作成問題の数学が難しすぎた年の3年後の合格先の特徴

東京都立高校の上位校は、自校作成問題で入学試験を実施する。自校作成問題の対象となる科目は英語・数学・国語である。理科・社会は共通問題である。

英語と国語はそれほど極端に難しくはないが、数学はかなり難しくなる。

しかも、出題者が難易度の調整に失敗して、無茶苦茶難しすぎるものを出題してしまうことがある。

たとえば、都立西高等学校の自校作成問題で、受験者平均点が30点くらいという年があった。その3年後の都立西高は、東京大学合格者数が都立日比谷高校よりも多かった。

そういうレベルの高校で、受験者平均点が30点程度の数学の問題を出題すると、その3年後の合格実績に顕著(けんちょ)な特徴(とくちょう)が表(あらわ)れる。

まず、東京工業大学の合格者数が増えるのである。

東京工業大学の数学の問題は、東京大学のものよりも難しい。ひらめきが必要である場合が多い。慶應義塾大学理工学部の数学も難しいが、難しすぎて差がつきにくいので、結局、英語勝負となっている。

自校作成問題の受験者平均点が30点くらいのときに、90点以上で稼ぎ逃げして合格した者は、だいたい、英語・国語はそれほどでもない場合が多い。となると、数学ができなくては話にならないが、英語・国語のバランスが悪すぎると合格しづらい東京大学・京都大学とは相性が悪い。

その結果、東京工業大学の合格者が多くなる。ついでに数学と物理などで満点あるいはそれに準ずる得点をあげて稼(かせ)ぎ逃げして東京大学に合格する者も増える。

2013年4月28日日曜日

高校入試や大学入試から英語などの外国語の試験をなくそうという提案がなされたときの政府回答

 ずいぶんと昔のこと(40年以上前の話)だが、高校入試や大学入試から英語などの外国語の試験をなくしてはどうかという提案がなされた。

 日本では、ほとんどのことは日本語で学べるので、日本語しかできなくても学習に困らない。ビジネスなどで外国語が必要だとしても、通訳などを雇えば済む。ほとんどの日本人は外国語ができなくても困らない。語学の才能のある者と、将来、研究者となって最先端の論文を読む必要がある者だけが、外国語学習を選択すればよい。使えない語学力しか身につかないのであれば、それに費やした時間と努力をほかの勉強に振り分けたほうが効率がよいのではないか?

 それに対する政府の回答はつぎのようなものであった。

 世の中には、中学生・高校生に英語を教えるしかできない人間が多数、存在する。入学試験から英語を外し、語学を選択制にすると、そうした教師たちが失業する。すると、大失業問題となり、経済が混乱するので、それはできない。

2013年1月16日水曜日

高校受験用の駿台模試で全国1位をとったやつを凹(へこ)ませたうちの生徒の発言

 何年か前の話である。

 駿台予備学校では、中学3年生を対象にした高校受験用の模擬試験を実施している。

 その模擬試験で、東京学芸大学附属竹早中学校の生徒が、全国1位をとった。ほかにも、好成績の生徒が何人かいた。彼らは、成績を自慢して、浮かれていた。

 すると、うちの生徒が余計(よけい)なことを言った。

「でも、よく考えると、(中高一貫の超進学校である)灘や麻布や桜蔭なんかの人はだれも(高校受験用の)その試験は受けていないんでしょ?」

 そう言われて、全員が、急に、しゅんとなったそうだ。

 まあ、灘中学の3年生なら、高校2年生レベルの数学をやっているようだし、愛知県にある海陽学園(101人中13人が東京大学に現役合格)だと中学2年生あたりから高等学校用の検定済み教科書でいちばんむずかしいとされる三省堂のCrownをやっているという噂があるのだから、中学3年生で高校受験用の実力試験を受けている時点で、2年遅れなのである。

 当校でも、なるべく先取り学習をしてもらいたいと思っているのだけれど、普通の生徒は、英語・数学で2年分先取りすると、あまり勉強をしなくなってしまう。困ったことだ。

 大学受験に関しても、本当に頭がよくて勉強ができる高校3年生は、代々木ゼミナールや河合塾の全国模試は受験しない。本当のハイレベルな高校生にとっては、受験するだけ、時間の無駄だからだ。駿台予備学校のハイレベル模試(もし)にしても、早い時期では受験しない。11月やら、12月やらになって、ちょっと力試(ちからだめ)しに受けてみるかというのがいるだけである(東京大学用の模擬試験や京都大学用の模擬試験なら、図抜(ずぬ)けて頭がいいのに受験する奴はいるだろうけど)。

 なぜ、受験しないのかというと、ものすごくハイレベルな高等学校の場合、自分の所属する高校の学年順位がこれだから、東京大学理科1類は余裕(よゆう)だとわかるから、全国模試を受ける必要がないからである。一方、田舎の県立高等学校の生徒だと、全国レベルでの自分の立ち位置がわからないから、受験するしかない。

 ちなみに私は、現在の駿台予備学校ハイレベル模試に相当する実力試験を1学期に相当する時期に3教科合計で全国2位、偏差値82.4だったが、11月あたりに、超難関中高一貫校の上位の連中が力試しに受験する時期には、自分よりも上に成績優秀な受験生の数が増えた。もっとも、英語の偏差値は70を切ることはなかったけれど。

 国会議員の片山さつきは、駿台予備学校の実力試験で全国1位となっているが、これも1学期に相当する時期に受験したものである。けれども、彼女は官僚になり、フランス国立行政学院École nationale d'administrationに留学しているから、相当に勉強ができたのだろう。1位というのは、どこまで果てしなく勉強ができるのか、判断できないから、どの程度にすごいのか、あるいはどの程度にすごすぎるのか、適切には判断しづらい。ま、すごいのは確かだけどね。

 以上のことから、とりわけ、1学期の時期に、駿台予備学校の全国模試(今でいうハイレベル模試)で、全国2位でしかない私は、じつは、あんまり大したことはないのである。灘や麻布には、わけがわからないくらいに頭のよいのが揃(そろ)っているからな。

2010年6月9日水曜日

リーマン=ブラザーズ=ショック(Lehman Brothers Shock)後の高校進学

 2008年9月にリーマン=ブラザーズが破綻(はたん)したので、世界的な金融危機が生じた。その結果、ある所得層は私立高校への進学を避け、東京では都立高校進学へと大幅にシフトした。その結果、2009年度・2010年度の高校入試では、従来ならばワンランク上の私立高校に進学していたような階層が、こぞって都立高校に進学した。授業料の廉(やす)い都立高校に確実に進学するために、従来では考えられないくらいにランクを落とした例も少なくないようだ。
 リーマン=ブラザーズ=ショック以前と以後とでは、同じ都立高校とはいえ、生徒の水準が大幅に変わった。
 端的にいえば、現時点での3年生は学力水準が低く、1年生・2年生は、3年生と較べて高い。
 もちろん、上位の高校と下位の高校では、それほどの開きはないが、そこそこのレベル、偏差値でいえば、50から60あたりの高校は、学力差が大きくなったようだ。
「3年生は変ですよ」「なんかちがうんですよね」という発言が見られるそうだ。

 リーマン=ブラザーズ=ショック直後の入試では、たとえば、成蹊高校は志願者数を減らした。この高校は「武蔵野の慶應」と呼ばれることがあるのだが、不況となると、志願者が激減した。
 もっとも、本家(?)である慶應義塾高校は、競争率が極度に下がったわけではないらしい。このあたりは、さすがは慶應義塾だな。

2009年9月13日日曜日

優秀な高校に進学したほうがよい理由

 ときには、高校受験ではあまり頑張らなくても、大学受験で頑張って、それなりのところ、あるいは、それ以上のところに進学すればよいと考える生徒がいる。
 ところが、これは大きな間違いなのである。

 まず、偏差値の低い高校に進学すると、使用する教科書のレベルが低いので、同じように努力しても、得られる結果が悪くなる。また、私立高校に顕著(けんちょ)なのであるのだが、偏差値が下がると、教員のレベルが下がる。

 有名企業の採用に関して、このあたりの事情については、採用・昇進・学閥……大公開! 有力人事部の本音 就職は「出身大学名」でどう差がつくかを参照してもらいたい。
 ここでは、つぎのようなことが書かれている。

「地頭(じあたま)」がいいかどうか 出身高校もチェック
製造 大学も指標の一つだけど、高校も大事だと思う。大学は受験勉強を一生懸命やれば入れるけど、中学から高校に入る場合は素質が大きく左右する。いい高校を出ている学生であれば、たとえ三流大学であっても、二流の大学よりは底力は上と見るね。地方の伝統校出身者を採用しているけど、いい意味のプライドを持っているし、実際に会社に入っても、がんばって結果を出しているやつが結構いる。
建設 そう、うちも一流大学や三流大学であっても高校をちゃんとチェックしている。つまり、こいつは“地頭”がいいかどうかを見ている。地方の知らない高校から二流大学を卒業したやつは絶対に採らなくても、たとえば開成、麻布や伝統校から三流大学に行った学生の場合、地頭がいいということで評価は高い。

 開成高等学校や麻布高等学校も言及されているが、製造業の人事部の発言「中学から高校に入る場合は素質が大きく左右する」に注目してもらいたい。
 なお、中学受験そのものは、当人の意志・努力よりも、塾・保護者のパワーの占める割合が高いので、中学受験の結果だけでは、図抜(ずぬ)けた上位校を除けば、本人の能力や地頭のよさの指標としては、高校受験よりも精度に欠ける部分があるようだ。
 学習指導の経験からすると、個々人の素質によって、偏差値58あたりと、偏差値63から65あたりに「壁」があるようだ。偏差値については、高校受験 高校偏差値情報に基づくものとする。尤(もっと)も、ここの偏差値は、一般のものよりも若干高めに出ている。
 ここでは早稲田大学を指標として述べる。というのも、早稲田大学はそれなりに難度が高いが、同時に、しょぼい学部もあり、定員も大きいからである。薬学部や医学部などがないのは指標としては不適格な部分がなくもないが。
 大雑把(おおざっぱ)に述べると、偏差値58以下の高校からは早稲田大学合格者は、ほぼ皆無(かいむ)である。生徒の素質そのものに要因があり、さらには、使用教科書のレベルが低い上に、指導方針が大学受験向きではない可能性もある。私立高等学校の場合、教員のレベルの問題もあろう。
 偏差値58から63くらいまでは、早稲田大学合格者がちょっとは存在するようになる。数名レベルから20名程度の合格者数のところなど、多少の幅があるが、これは、指導方針の差や教員のレベルの差などによるものであろう。立地条件による違いもあり、たとえば、同じ偏差値の高等学校であっても、周辺にその高等学校よりもランク・レベルの高い高等学校がなければ、「このあたりじゃあ、うちがいちばん」と思える高等学校に通っていると、合格実績が上がる傾向がある。この点については、改めて述べることとする。
 偏差値65あたりを超えると、早稲田大学合格者が増える。やはり、偏差値63から65のあたりに素質の高さなしには越えられない「壁」のようなものがあるのだろう。偏差値63ちょっとで、正規分布の場合、100人中10番目くらいである。上位1割に入るのは、素質なしには難しいらしい。
 ところで、ワークス=アプリケーションズWork Applicationsという企業がある。今でもそうなのかは知らないが、インターンシップあるいは研修を大学生・大学院生を対象に行なっていた。3週間に亙(わた)る研修ののちに、正確には記憶していないのだが、研修結果を「Aパス」「Bパス」「Cパス」という形で発表し、Aパスの場合は、今後、3年間(もしかすると5年間)は、当社で働きたくなれば、即座に採用で、Bパスだと、今後1年間、Cパスだと、入社不可ということだった。1日当たり1万円の研修費が支給される。研修を受ける前に、応募者全員に筆記試験を行なう。その場合の合格ラインは、偏差値65のところに引いてあったそうだ。
 企業にしても、偏差値65を基準にしているのだから、このあたりを越えるには、勉強のみならず、仕事の面でも、素質の有無が多少なりとも左右するのであろう。
 いずれにしても、少なからぬ一流企業が、地頭(じあたま)のよさを測るのに、出身高等学校名をチェックしている。そして、少なくとも偏差値63以上、できれば偏差値68以上だと、地頭のよさは担保されるのではないかと考えている。

 数年前のことだが、一流企業の中には、出身高等学校名をチェックするところが少なからず存在するということを指摘し、そのことを生徒が保護者に話したところ、「高校名を見るところなんか、あるわけないでしょ!」と一蹴(いっしゅう)されたそうだ。住む世界が違うと見えるものが違うという一例だろう。

追記:優秀な高等学校を出ていると、各分野それぞれに詳しい人物と知り合いになれる。大学の場合、たとえば、早稲田大学だと、基本的に文系大学なので(理工学部はあるけど)、医学・薬学などに詳しい人物と大学内で友人・知人となることは少ない。もちろん、すこぶるつきの優秀な高校出身者と知り合いであれば、その人物を通じて、その人物の友人から、いろいろと情報を得ることができるのだろうが、つまらない疑問などは、やはり、高校時代からの知り合いでないと質問しづらい。こうしたことからも、情報収集という点で、差がついてしまう。



2009年8月26日水曜日

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」につづいて「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」が公開されたので……

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』につづいて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』が公開された。「序」だけなら、気にかけることもなかったが、「破」がつづいたので、ヱヴァンゲリヲン新劇場シリーズのつぎは「急」になると考えられる。
 序破急とは、もともとは雅楽の演奏について用いられたことばであるが、曲を構成する3つの部分のことであるが、これをすべての芸事に通用するものとして論じたのが世阿弥である。世阿弥の著『風姿花伝』ではつぎのように述べられている。

問。能に、序破急をば何とか定(さだ)むべきや。
答。これ、やすき定めなり。一切の事に序破急あれば、申樂(さるがく)もこれ同じ。能の風情(ふぜい)をもて定むべし。先(ま)づ、脇の申樂には、いかにも、本説正しき事の、しとやかなるが、さのみに細かになく、音曲・働きも大方(おほかた)の風體(ふうてい)にて、する/\とやすくすべし。たとひ、能は少し次なりとも、祝言(しうげん)ならば、苦しかるまじ。これ、序なるがゆえなり。二番・三番になりては、得たる風體の、よき能をすべし。殊さら、挙句(あげく)急なれば、揉(も)み寄せて、手數(てかず)にいれてすべし。また、後日の脇の申樂には、昨日の脇に變(かは)れる風體をすべし。泣き申樂をば、後日などの中ほどに、よき時分を考へてすべし。

問い。能で、序破急はどうやって決めるべきなのか。
答え。これは、簡単に決められることである。すべてのものには序破急があるので、申楽もこれと同じである。曲の趣きをもって決めるべきである。まず、最初の申楽には、いかにも、確かな出典をもっていて、しとやかであるが、それほど細やかでなく、音曲・働きも大方の風体にて、するするとたやすくするべきである。祝賀の意を第一にするべきである。いかによい初演の能であっても、祝賀の意が欠けては仕方がない。たとえ能が少し今ひとつであっても、祝賀の意があれば見苦しいことはない。これは、序であるがゆえである。二番・三番になっては、よく心得た風体の、よい演能をするべきである。特に、最後の能は急に当たるので、調子を早め身の動きを力強くして、激しい演技をすべきである。また、つぎの日の初演の申楽には、昨日の初演と違った雰囲気のものをするべきである。涙を誘う猿楽は、つぎの日の中ほどに、よい時分を考えてするべきである。

 有名なアニメ作品の題名に「序」「破」が用いられたことで、序破急が国語の入学試験で出題される可能性が高くなったといえる。
 もともとは雅楽の用語だけれども、世阿弥が有名にしたものだから、雅楽に関してのものとしてではなく、あくまでも「世阿弥が論じたもの」として出題されるだろう。その場合、受験生のレベルにおうじて、ヒントを多くして、序破急を知らない受験生でも考えればわかるようにするなどの工夫をする。ときには、序破急について論じた文章を出題するであろう。
 一方、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』を通じて、序破急を知ったアニメヲタクもいるわけで、単に序破急について訊ねるたけの出題では、アニヲタに利するだけなので、ちょっと変化球で、世阿弥のことばとして有名な「秘すれば花」「初心忘るべからず」などを出題するという手もある。

2009年6月23日火曜日

「おこなう」を漢字で書いたときの送り仮名(がな)

 「おこなう」を漢字で書くときには、「行う」と「う」だけを送ると決められている。「行う」が本則である。「行なう」は、許容の扱いだ。だから、小学生・中学生には、本則の「行う」で書くように指導する。
 ところが、大学の教官・教員は、許容の「行なう」を使う割合がすこぶる高い。
 たとえば、東京大学教養学部「基礎演習」テキストである(であった)『知の技法』では、「行なう」しか使っていなかったように記憶する。大学の教官・教員は、だいたい「行なう」で表記している。
 「行なう」にこだわるのは、「行った」とあった場合、「行(い)った」なのか、「行(おこな)った」なのか、文脈に依存(いそん)するからであろう。文脈があれば、読み間違うことはないのだけれど。
 事実、当初は、「行なう」が本則であったが、途中から、文脈があれば読み間違うことがないので、原則である「活用のある語の場合、活用語尾を送る」に変更した。
 それでも、「行って」だと、「行(い)って」なのか、「行(おこな)って」なのか、ちょっとひっかかるので、大学の教官・教員は、おしなべて「行なう」を使っている。また、大量の答案を処理しなければならない大学入試で自分が答案などを読む場合にも、「行なう」が好ましいと考えているという意見も耳にしたことがある。
 その一方で、中学校や高校の教員は、絶対に「行(おこな)う」でなければ間違いであると信じている者が少なからずいる。

 以上のことから、つぎのように使い分けるのがよかろう。

中学受験・高校受験
「行う」と、活用語尾しか送らない。

大学受験
「行なう」と、活用語尾のほかに「な」も送る。

 ちなみに、高校生にまで「行う」と「う」しか送ってはいけないと指導する塾・予備校は、大学内部のことを知らないと見なせるのではなかろうか。

   

2009年6月11日木曜日

100人中30番目であるとはどういうことか?

 うちの生徒で、公立中学に通う、勉学意欲に乏しい2年生に訊いてみた。
 「たとえば、大まかに言って、100人中何番目くらいの成績だと、自分は勉強ができると満足できるか?」
 「100人なら、30番目くらいです」

 2006年の資料で、男子の4年生大学進学率が50%で、女子は37%くらいである。大学に進学するのは100人中45人に満たない。100人中30番目ということは、大学進学者のうち、上から3分の2、下から3分の1の位置になる。底辺学部を除いた日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)に進学できない計算になる。日本大学法学部で、100人中14番目くらいでないと苦しい。
 この事実を指摘したところ、思う存分、びっくりしていた。

 また、首都圏の場合、およそ15%は中学受験を通じて、中高一貫校に進学している。その15%全員が勉強が得意というわけではないにしても、小学校から名門私立(雙葉など)に通うきわめて優秀な生徒もいる。となると、100人30番目を目指すとしても、公立中学校では、15%分(つまり15人分)を除いて考えないといけない。すると、大雑把にいって、15人を取り除いた残りの85人のうちで、15番目の成績を収めないと、全体として100人中30番目の成績とはならない。つまり、公立中学校で、100人中17番目か18番目の成績を収めないと、全体として100人中30番目の成績にはならない。この成績でも、日東駒専の看板学部には合格できない。

 数字の取り扱いは相当にいい加減だけれども、まあ、大体、こんなものだというイメージをもつとよいであろう。
 同じように、いい加減な言い方をすると、東京大学は400人に1人、東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学に進学できるのは200人に1人である。
 東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学・国公立医学部・旧帝国大学など(「など」とつけたのは、神戸大学なんかも一流大学に入るから)、ならびに慶應義塾・下位学部を除いた早稲田に進学できるのは、120人中4人くらいである。
 いかん、当初は、大学受験はたいへんだと述べようと思ったのに、難関大学といっても意外とちょろそうという結論になってしまった。実際のところ、勉強法を間違えなければ、ちょろいんだけど。

2009年6月5日金曜日

17の自乗(2乗)が289であることの憶え方

 高校受験用の数学の問題集で、約分や素因数分解では、17の自乗(2乗)を憶えていると、計算でまごつかなくなる。一般には、11の自乗(2乗)から20の自乗(2乗)は憶えておくようにと、中学校の教師は指示するが、20の自乗(2乗)は400ということがわかるので、実際には、11の自乗(2乗)から19の自乗(2乗)まででよい。
 実際には、17の自乗(2乗)で、つっかえる生徒が多い。
 そこで、17の自乗(2乗)を語呂合わせで憶えるのを考えた。

稲庭饂飩(いなにわうどん)、喰う?

 い(1)な(7)に(2)(8)、うどん、く(9)う?

 正仮名遣い(せいかなづかい=旧仮名遣い)だと、

 いなにうどん、くふ?
 い(1)な(7)に(2)(8)、うどん、く(9)ふ?

 これは憶えやすいぞと思ったが、うちの生徒は、だれも「稲庭饂飩」を知らなかった。
 素麺(そうめん)でいうと、「揖保乃糸(いぼのいと)」ほどではないにしても、「三輪素麺(みわそうめん)」よりは知名度があると、個人的には思っていたので、ちょっとびっくりした。

 それにしても、自乗(2乗)の数って、計算していれば、自然に憶えてしまうものだと思うのだけど。

2009年5月26日火曜日

無理のある社会体制はだいたい70年で崩壊する。

 どういうわけか、無理のある社会体制は、70年くらいで崩壊する。例を挙げよう。

ソビエト社会主義共和国連邦
成立 
1922年
崩壊 
1991年

 69年後に崩壊している。

 明治維新から大東亜戦争(第2次世界大戦)敗戦に至るまでは、日本が望んだわけではなく、帝国主義の列強に挟まれ、知らず識(し)らずのうちに(?)、軍国主義となったといえなくもないが、無理のある社会体制だったといえる。

明治維新から大東亜戦争敗戦
明治維新 
1868年
大東亜戦争敗戦 
1945年

 77年後だ。

 鎌倉幕府そのものは無理のある社会体制ではなかったといえなくもない。しかし、御恩と奉公の秩序を維持するには、戦争で勝てば、新たに獲得した領地を家来に分け与えなければならないが、元寇(げんこう)によって、そのシステムが維持できなくなった。戦争に勝ったのに、領地を与えることができなくなった。元寇によって、無理のある社会体制になったといえなくもない。

元寇と鎌倉幕府崩壊
第1回元寇(文永の役)
1274年
鎌倉幕府崩壊
1333年

 59年後だ。

ルイ15世即位とフランス革命
ルイ15世即位
1715年
フランス革命
1789年

 74年後だ。
 ルイ14世のときから、国民に重税を課していたではないかという反論がありそうだけど。

 こういうちょっとした知識を使うだけでも、わからない問題の正解が推測できる。とくに選択肢のある問題なら。
 受験のテクニックという場合、そのテクニックを使えば、100%正解できるものでないといけないと思っている人がいるけれども、このテクニックを使えば、100%正解できるものなど、その辺に転がっているものではない。むしろ、100%正解できるとなると、それは、受験テクニックというものではなく、「当たり前の手法」となってしまう。本当の受験テクニックとなると、その手法を使えば、未知の問題の3分の1が正解できるようになるようなものでしかなかったりする。「3分の1」だとがっかりするかもしれないが、それが積み重なれば、大きな違いとなる。
 「無理のある社会体制は70年くらいで崩壊する」のように、まったくわからない問題が5問あれば、そのうちの3問が正解できるくらいのものを大量に仕入れ、わからなくても正解できる問題を可能なかぎり増やすのが、選択肢のある問題の対処方法である。
 憶えたことを正解できるというのは、小学生でもできることであって、中学受験・高校受験・大学受験では、こうしたことができるようにしなければ、損をする。
 これを「邪道」だと思う人は、これまでの試験、高校受験・大学受験のみならず、資格試験や就職での採用試験で、損ばかりしているということになる。
 真面目すぎるのも、なんだかなあ。

2009年5月18日月曜日

地方出身で、かつ、地元ナンバーワン高校出身の親が陥(おちい)りがちな罠(わな)

 東京在住の地方出身者で、かつ、地元ナンバーワン高校出身の親が、高校受験で陥(おちい)りがちな罠(わな)について述べる。
 太平洋戦争で敗戦した日本は、GHQ(General Headquaters 連合軍最高司令官総司令部)によって、エリートを輩出しないようにと指導された。できるかぎり、小学区制にして、特定の高校(旧制中学校)に、立派な人材が集まらないようにした。それでも、東日本、とりわけ東北地方はその指導に従わない場合が多かったが、西日本では、おおむね、小学区制を取り入れた。
 その結果、西日本では、大阪などの都会を除けば、地域ナンバーワン高校といっても、まったく大したことのない高校となった。
 たとえば、私の出身高校の和歌山県立橋本高等学校は、「高校受験 高校偏差値情報」というサイトによれば、現在、探究科偏差値56、総合科偏差値53であるが、それでも学区ではナンバーワン高校なのである(私立を除く)。この程度の偏差値なので、地頭(じあたま)がすこぶるよければ、家庭でまったく勉強していなくても、中学3年生の夏休みから勉強し始めれば確実に合格できる。いや、本当に地頭のよい中学生の場合、塾に通わず、自宅で勉強することなくとも合格できてしまう。
 以前、自分の高校入試のときには、計算ミスして、数学は満点を逃し、綴(つづ)りを間違えて、英語も満点を逃し、理科と社会科は細かいことを暗記していなかったので満点を逃し、結果的には国語しか満点がとれなかったと、当校の生徒に話したところ、生徒たちは「この人はそれほどまでにすごいのか」と思ってしまったらしく、神妙な顔つきになったが、和歌山県の県立高校の入試問題や、橋本高等学校の推薦入試だかなんだかの問題を見せたら、大爆笑された。「これなら、5教科満点でも狙える」というのである。その通りだと思う。
 1学年315人のうち、自分の学年の場合、京都大学に3人が進学し、早稲田・慶應義塾には4人が進学したのだけれども、半分くらいが専門学校進学・就職だったと記憶する。このことを大学時代に都立国立高校出身の学生に話したところ、「うちは、たまにグレて大学に行かないというのが1学年に1人か2人いるくらいで、基本的にはほぼ全員が大学に進学するので、東大・京大・早慶に進学する生徒と、就職する生徒が同じ学校にいるというのは、考えられない」と、びっくりしていた。
 また、あるとき、当校の生徒が自動車で母親の実家に帰省するときに、途中で出雲大社に立ち寄る予定だと言ったので、その近くにある出雲高校は島根県でいちばん難しい高校だと指摘してから、そこの偏差値が62であると告げたところ、大爆笑していた。東京の感覚では、県内トップ高の偏差値が62というのは考えられないのだ。東京23区のそれぞれの区内でいちばん難しい高校でさえ、62は上回っているのだ(なお、確認してみたら、今は、松江北高等学校理数科が偏差値63で島根県下ナンバーワン高になっていた。それでも、たかだか63である)。
 地頭(じあたま)がよければ、偏差値63くらいなら、中学3年生の夏休みから勉強しても、充分、間に合う。
 こうしたことの結果、地方出身者で、地元ナンバーワン校出身の親は、東京の国公立も同じようなものだと思い込んでしまう。
 その結果、あんまり勉強していなくても、中学3年生の夏休みから勉強すれば、都立日比谷高校や都立西高校(どちらも偏差値70)でも、開成高校や筑波大学附属駒場高校よりも、はるかにレベルが低いのだから、簡単に合格できると思い込んでしまう。開成高校や筑波大学附属駒場高校よりも、はるかにレベルが低いという点だけはまちがっていないのだけどね。
 それで、受験に失敗してしまう。

2009年5月11日月曜日

円が登場する図形問題に関する攻略法

 高校入試の数学の図形問題で、円が登場する場合、原則として、つぎの1点に注意するとよい。

 「中心O」が描き込まれているかどうか。

 「中心O」が描き込まれている場合、その問題は、中心Oから補助線を引かなければならない問題である。
 「中心O」が描かれていない場合、その問題は、中心Oを用いなくとも、解ける問題である
 「中心O」が描かれているにもかかわらず、中心Oを使うことがない問題が、ごく稀(まれ)に存在するが、これはたぶん、作問研究が充分でない教師による出題であろう。偏差値70を超える高校でさえ、中心Oを使わないのに描き込まれている問題があったこともあるが、どのレベルの高校であれ、「中心O」が描かれているにもかかわらず、中心Oを使うことがない問題というのは、例外中の例外である。
 一方、中心Oが描き込まれていないにもかかわらず、中心Oから補助線を引かないと解けないという問題は、これまで、1度も目にしたことがない。

 図形問題が得意な人からすれば、大したことのない指摘に思えるかもしれないけれど、じつは、相当に効果的である。

2009年3月26日木曜日

「数え上げ」と日本人

 数学の問題にも、流行がある。その例を述べよう。

 数学者の秋山仁とピーター=フランクルが指摘したのだが、日本人は「数え上げ」が苦手であるそうだ。数学オリンピックの成績を分析しても、日本人の「数え上げ」の苦手っぷりがよくわかるという。日本人は「数え上げ」が苦手だとこのふたりが喧伝したおかげで、その後、「数え上げ」の問題が中学入試・高校入試などでは、急に多く出題されるようになった。
 「数え上げ」の問題をしくじったせいで、受験に失敗したことがあれば、もしかすると、その「数え上げ」の問題が出題されたのは、秋山仁とピーター=フランクルの言説が原因だったかもしれない。

自己紹介

自分の写真
和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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