UFOキャッチャーは、場所によって、難易度が相当に違うそうである。
池袋などの繁華街となると、 バネなどの設定を辛(から)くして、景品を獲得(かくとく)しにくくしているという。
西武池袋線江古田駅周辺は、設定が厳(きび)しいようである。周辺に大学が3つもあるということもあるかもしれないが、いちばんの原因は、私立武蔵高等学校があるからではないだろうか?
私立武蔵高校は、私立男子校の御三家のひとつに挙(あ)げられており、近年は東京大学合格者数は減っているが、進学実績をよくよく見ると、国公立医学部への進学がたいへん増えている。
東京大学に進学しても、落ちこぼれると、超一流企業には就職できず、元も子もなくなるが、医学部なら、医師国家試験に合格しさえすれば、高収入が保証される。ほかにも、東京大学・京都大学進学者は減っているが、その分、国公立医学部進学者が増えている私立の進学校は少なくない。
そういうハイレベルの高等学校が近くにあると、なかには、暇潰(ひまつぶ)しで、UFOキャッチャーをやる。頭がいいものだから、すぐに適切な対策を講(こう)じ、景品を根こそぎ獲得(かくとく)していく。
店側は、それに対抗するために、設定を厳(きび)しくしなければならない。
すると、普通の人間には、途方(とほう)もなく難易度の高いUFOキャッチャーになってしまう。
その結果、私立武蔵高等学校周辺の区立中学校の生徒は、UFOキャッチャーはしない。まったく歯がたたないからである。負けるしかないゲームは、ゲームとはいえないのである。
「私立武蔵高等学校仕様」のUFOキャッチャーなんて、普通の人間には攻略できねえよ。
ちなみに、この景品なら、知り合いの子どもにあげると喜ばれるだろうと、江古田で初めてUFOキャッチャーに挑戦したとき、設定の厳(きび)しさに愕然(がくぜん)とした。こんなガチガチの設定だと、UFOキャッチャーの素人(しろうと)の私には、景品を獲得するのは到底(とうてい)無理だと思えるものだった。今でもそんな設定なのかは知らないが……。
頑張れば取れそうだと思える水準で設定すると、射幸心(しゃこうしん)を煽(あお)り、利益が増えるはずなのに、1回、やっただけで、「こんなん、無理やん」という設定なのである。「射幸心を煽らない」という点で、良心的といえるかもしれないけれど。
また、どういうわけか、貧困層が多い地区にあるUFOキャッチャーも設定が厳しい。貧困層が多いということから、将来的には、競馬・競輪・競艇・オートレースに入れ込むタイプの人間が多いだろうから、頭はよくなくても、経験と勘(かん)と努力で攻略するのだろう。その結果、UFOキャッチャーは難しくなる。
では、どこのUFOキャッチャーが攻略しやすいのだろうか?
個人的な経験からすると、目黒区自由が丘のUFOキャッチャーが簡単だったという記憶がある。自由が丘を訪(おとず)れるのは女性が圧倒的に多く、UFOキャッチャーに入れ込むような人間が少ない。設定が緩(ゆる)めでも、採算が取れる。
デートで自由が丘に来て、女の子が、UFOキャッチャーのあの縫(ぬ)いぐるみが欲しいと言ったとして、UFOキャッチャーの素人(しろうと)の男性でも、1,000円か、2,000円くらいを突っ込めがなんとか獲得できるようになっていれば、楽しいデートの思い出になるだろう。
「彼ったら、すごく頑張(がんば)って、1,500円も遣(つか)って、この縫いぐるみをUFOキャッチャーで取ってくれたんだ」と友だちに話したりできる。いい思い出になる。
こうした点から、超高級住宅街の最寄り駅(もよりえき)近くにあるUFOキャッチャーも設定が甘(あま)い可能性が考えられるが、超高級住宅地に足を運ばないので、そもそも、UFOキャッチャーがあるのかどうかさえ、知らない。
[追記:ある人物からの情報によれば、成城学園前駅には、UFOキャッチャーもゲーム=センターもなかったような気がするという。超高級住宅街には、そんなものを興(きょう)じる子どもはいないということか? よく考えると、たとえば、女の子だったら、3万円以上もするシュタイフ社Steiffのテディ=ベアを気楽に買ってもらえるのだから、UFOキャッチャーなんて、するわけないわな]
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自己紹介

- 掃除機庵主人
- 和歌山県, Japan
- 早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。
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