---
「ひこうき雲」
作詞:荒井由実
作曲:荒井由実
唄:松任谷由実(荒井由実)
白い坂道が 空まで続いていた
ゆらゆらかげろうが あの子を包む
誰も気づかず ただひとり
あの子は昇っていく
何も恐れない そして舞い上がる
空に憧れて 空をかけてゆく
あの子の命は ひこうき雲
高いあの窓で あの子は死ぬ前も
空を見ていたの
今はわからない
ほかの人には わからない
あまりにも若すぎたと
ただ思うだけ ただしあわせ
空に憧れて 空をかけてゆく
あの子の命は ひこうき雲
空に憧れて 空をかけてゆく
あの子の命は ひこうき雲
---
これは特攻隊の唄だろうと思って調べてみたところ、特攻隊の唄だとしているものもあれば、病(やまい)で夭折(ようせつ)した人を唄ったものだとか、あるいは、飛び降り自殺した人を唄ったものだとか、いろいろあった。鹿屋(かのや)航空基地にある史料館「海鷲(うみわし:かいしゅう)の航路」に足を運んだ当時の荒井由実が、反戦歌として作詞したという話もあった。宮崎駿(みやざきはやお)は高校生のときに左翼活動をしていたそうだから、特攻隊の唄とするのが妥当(だとう)であるような気がする。
追記:松任谷由実(まつとうやゆみ・発売当時の名義は荒井由実)はインタビューで、高校時代に夭折(ようせつ)した友人のことをモチーフにしたものだと答えていた。けれども、映画の流れからすると、どうしても特攻隊の唄にしか聞こえない。文脈が変われば違う唄に聞こえるのは、解釈の多様性を許すものであり、素晴らしい作品といえるので、これはこれでかまわないだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿