2014年5月14日水曜日

マルティン=ハイデガーの『存在と時間』を『有と時』と訳した人がいると早稲田の教授が言ったとき、読み方を間違えていた。

学生だったときに、マルティン=ハイデガーMartin Heideggerの『存在と時間』Sein und Zeitの題名を、仏教の十二縁起(じゅうにえんぎ)にある用語を採用して、京都大学教授だった辻村公一は『有と時』と訳したことを教授が説明したのだが、『有(ゆう)と時(とき)』と読んでいた。

十二縁起の「有」は「う」と読むので、隣の学生に私は言った。

「『う』と読むはずなのに、『ゆう』と読んだのは、十二縁起の『有』とハイデガーのSeinの概念(がいねん)には、微妙な違いがあるということで、読み方を変えたのだろうか?」
「うーん、芸が細かいな」

すると、このふたりの遣(や)り取りを耳にした教授は、その後、『有と時』を「うととき」と読むようになった。

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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