2013年2月23日土曜日

少人数制・学力別クラス編成など、どのような教育形態が生徒の学力が最も伸びるのか?

 少人数制クラスと大人数制クラス、学力別クラス編成といろいろな教育形態(けいたい)がある。その中で、どれが生徒の学力を上げるのかについて考察(こうさつ)してみよう。

 少人数制(しょうにんずうせい)あるいは小人数制(こにんずうせい)は、教師の目が行き届くので、生徒の学力を上げるように思われているが、それほどでもない。

 たとえば、6人のクラスで、そのうちの2人が、『ドラえもん』に登場するジャイアンとスネオだとしたら、学校・塾に行くことさえ憂鬱(ゆううつ)になるだろう。

 一方、学力別クラス編成でない大人数制(おおにんずうせい)の場合、同じクラスに、真面目に勉強する頭のよい生徒がいるので、一部の生徒は、そうした生徒を見習って、自分も勉強しなければならないと考え、勉学に勤(いそ)しむようになり、その結果、学力が向上する場合がある。これをピア効果peer effectsという。

 学力別クラス編成の場合、つぎのような状況になると成績が下る。

 学力別ではないクラス編成の場合には、クラスで5番の成績である者が、学力別クラス編成になると、トップ=クラスに編入され、そのクラスでは最下位になる場合がある。そうなると、勉学意欲をなくす場合が生じる。学力別でなければ気分よく勉強できていたのに、やる気を失くしてしまいかねない。

 その一方で、3番目のクラスで1番になると、気分よく勉強できるので、成績が向上する。そのまま勉学に励(はげ)めばよいのだが、学力向上にともなって、上のクラスに入れられ、クラス内順位が芳(かんば)しくなくなり、成績の向上が沈滞(ちんたい)する場合もある。

 尚(なお)、進学塾では上から2番めのクラスでトップの成績をとっても、上から1番目のクラスの平均点を超えない場合には、クラスを上げないのが一般的である。クラスが上になればなるほど、月例テストなどでは出題されない内容だが、難関高校対策用の内容も多く盛り込むので、下のクラスでいちばんだからといって、安易に上のクラスに上げると、上記のような事態、つまり、努力の割に芳(かんば)しくない成績に陥(おちい)るのである。

 以上のことから、どのようなシステムであっても、学力向上に関する効果は全体を均(なら)すとあまり変わらないのである。

 たったひとつだけ、母親が人格障害であるとか、特殊な条件の場合を除けば、必ず生徒の学力が向上する場合がある。

 教師の学力が頗(すこぶ)る高く、異常なまでに知能指数が高く、人格が良好である場合だけである。

 しかしながら、現在の賃金の最低でも3倍は支払わなければ、それだけの人材は集められないので、現実的ではない。3倍の賃金で人材を集めるとして、従来の教師の賃金をそのままにするわけにはいかない。また、公立の学校だと、ほかの公務員からの不満も続出するだろう。

 因(ちな)みに、東京都内の中高一貫校に関しては、立地条件や伝統をも考慮に入れて検討すると、偏差値が上がれば、教員の給料も上がる傾向にある。2校以上から採用される水準の教務(きょうむ)能力が備わっているのであれば、給料の高いほうに勤(つと)める場合が多いからであろう。

 また、同じような進学実績の場合、詰め込み型の学校は、そうではないところよりも給料が安くなる。給料が安いと詰め込むしか能のない教員の割合が高くなるようである。たとえば、麻布学園(麻布中学校・高等学校)の給料は、開成学園(開成中学校・高等学校)よりもうんと高いので、詰め込み度は開成が上だろうと推測できる。

 以上のことから、人件費を大幅に上げないかぎり、即効性(そっこうせい)のある確実な学力向上策(がくりょくこうじょうさく)はないということになろう。



『学歴社会の法則 教育を経済学から見直す』が、この文章の元ネタである。

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和歌山県橋本市出身。世界文化遺産である高野山の麓です。
和歌山県立橋本高等学校を経て、早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業。
B型Rh+。天秤座。家紋は「丸に九枚笹」。
大叔父(おおおじ)は精鋭集団である帝国陸軍航空審査部所属で、「キ61(きろくいち)の神様」と呼ばれた坂井雅夫少尉。キ61は三式戦闘機「飛燕(ひえん)」のことである。

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