2009年6月29日月曜日

その昔、NHKの「ドイツ語講座」に宇宙人が登場したことがあって……

 その昔、NHKのドイツ語講座に宇宙人が登場したことがあった。ちょっと検索して調べたところ、「こちらはピコポコ」「ピコポコ宇宙に帰る」なんてのが見つかった。
 このアイデアは、ドイツ語学習者のみならず、外国語学習者の間で、ちょっとした話題になった。「これ、思いついたやつはすごいわ」とだれもが思ったのだ。

 外国語を学習すると、最初は、理不尽なやりとりを憶えなければならない。たとえば、日本語で書くと、つぎのような会話だ。

―これは何ですか?
―それは林檎(りんご)です。オレンジではありません。

 ある程度の年齢以上になると、うんざりしてしまう。「いったい、林檎とオレンジの区別のつかないやつは、めったなことではいないだろうが!」と思ってしまう。
 ところが、宇宙人を登場させると、すべての理不尽な会話が、全面的に正当化される。

―これは何ですか?
―それは灰皿です。煙草を喫(す)うときに使います。

 人間同士の会話なら、「見てわからんのか、こら! いちびっとったら、あかんぞ!」となるところでも、「うむ、きっと、喫煙というものが存在しない星からやって来た宇宙人なんだろうな」と、納得してしまう。

―彼女は何をしていますか?
―彼女は彼と一緒にテニスをしています。

 「テニスのない星から来た宇宙人なんだ」と、これまた、納得してしまう。

 宇宙人を登場させるだけで、無意味に思える会話が、意味のあるものに転換するわけだ。だから、宇宙人を登場させることを思いついたスタッフのことを、だれもがすごいと思ったのだ。

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和歌山県橋本市出身。世界文化遺産である高野山の麓です。
和歌山県立橋本高等学校を経て、早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業。
B型Rh+。天秤座。家紋は「丸に九枚笹」。
大叔父(おおおじ)は精鋭集団である帝国陸軍航空審査部所属で、「キ61(きろくいち)の神様」と呼ばれた坂井雅夫少尉。キ61は三式戦闘機「飛燕(ひえん)」のことである。

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