これをおかしいと感じる人がいても、おかしくはないだろう。
事実、表向きの統計では、飲酒運転よりもスピード超過が事故原因の圧倒的多数派なのであるから。
ところが、事故原因は飲酒運転のほうが、本当は、多い。表向きの統計ではスピード違反になっているだけなのである。
どうしてこんなことになっているのであろうか?
自動車保険だ。
飲酒運転の場合、自動車保険から保険金が支払われない。約款(やっかん)にそう規定されている。
しかし、飲酒運転だったからと、一律に適用すると、交通事故の被害者に保険金が支払われなくなる。事故原因たる運転手を飲酒運転で逮捕すると、場合によっては、支払い能力がないということで、支払われずに終わることもある。交通刑務所に入って終わりだ。
こうしたことを避けるために、飲酒運転による事故であっても、事故原因をスピード違反や前方不注意で処理をする。
また、私の友人で、オートバイでこけたことがあるのは、飲酒運転・酒気帯び運転していたときだけであり、「飲んでいなければ、運転テクニックは最高である」と言っているとんでもない人物がいる。飲酒運転・酒気帯び運転でなければ、ほぼ確実に事故を起こすことがないタイプがいるとして、そうした中には、交通事故発生の際に飲酒運転・酒気帯び運転を事故原因としてすべて摘発するようだと、保険に入る意味がなくなるということから、任意保険に入らない人が出てくる可能性もある。
ちなみに、飲酒運転であったのに、素面(しらふ)であったことにするのは簡単である。酒気帯び運転のラインに到達する前に呼気を測定器に通すのをやめるだけでよい。
統計上のデータが、被害者の便宜のために、実態を反映していない場合もあるので、統計上のデータだけで論じても、机上の空論になってしまうこともあるわけだ。
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