さまざまな事例を検討しても、その傾向が見て取れるし、早稲田の校友会誌である『早稲田学報』では、記憶しているかぎり、例外はない。
なぜか?
まず、私の知るかぎり、単位認定が慶應義塾よりも早稲田のほうが辛(から)いようである。
娘には苦労させたくなければ、両方に合格したなら、慶應義塾を奨(すす)めるのは当然であろう。
とはいえ、つぎの違いが大きな原因であろう。
慶應義塾の場合、いわゆる「学年割れ」で、1・2年生のときは、横浜市にある日吉キャンパスで勉学に励み、3・4年生のときは、港区の三田キャンパスで勉学に励む。
一方、早稲田の場合、文学部なら、4年間、新宿区戸山キャンパスで過ごすわけだが、「戸山キャンパス」とはいえ、本部キャンパス(新宿区西早稲田)と隣接しているようなものだから、文学部以外にも、政治経済学部・法学部・商学部などと、4年間、一緒だと考えてよい(この場合、教育学部と社会科学部は考慮に入れなくてよい。文学部の女子学生はつき合わないから)。
ここで「4年間、一緒」というのが曲者(くせもの)である。
大学1年生のときに、3年生くらいの学生を見ると、じつに頼(たの)もしく思える(本当は大したことはないのだが)。それで、つい、うっかり、つき合ってしまう。それで、「食われ」たり、「やり逃げ」されたりするわけだ。
とりわけ、父親が女性にモテるタイプであった場合、自分のしたことから考えて、おそろしくて、自分の娘は絶対に早稲田には進学させたくないと考える。
慶應義塾の場合、入学したてのときに、横浜にある日吉キャンパスにいるわけだが、1・2年生だけである。3年生で、落した単位のために来る者はいるにしても、落第している学生はいささかも頼もしくない。ひっかかることはない。
娘を進学させるならば、慶應義塾が早稲田よりも安全なのである。
早稲女(わせじょ、早稲田の女子学生のこと)に、ぶさ……もとい、決して美人とはいえない女子学生ばかりなのは、男子学生に言い寄られることがないと確信が持てる場合にのみ、早稲田に進学させるからである。結果的に、ぶさい……もとい、決して美人とはいえない女子学生が多くなるのだ。
似たような理由から、早稲田出身者の父親は、娘を青山学院高等部には進学させたくないと考える。大学受験なしで大学に進学できる状況で、高校生の男女が同じ教室にいるというのは、すこぶる危険だと考えるからだ。
ちなみに、井上一馬という翻訳家は高校生のときに共学高に通っていたせいで、恋愛にうつつを抜かし、東京外国語大学にしか進学できなかったことを後悔した上で、娘の進学を考える上で、大学附属の共学の高等学校は避けたいと書いていた(と記憶している)。
その点、慶應義塾幼稚舎・中等部に娘を入れたとしても、高校生のなるときには、男子を慶應義塾高等学校に、女子を慶應義塾女子高等学校に進学させて、男子塾生からきちんと隔離(かくり)してくれる。じつに安心のシステムだ。
こうしたことを考慮すると、慶應義塾というのは、本当にうまいことを考えているなあと感心する。
お前は自分に娘がいたら、どうするつもりだと訊(き)かれれば、自分に似ていたら、男子学生にモテるとは思えないから、早稲田に進学してもいいと思っている。こういうことがあるから、早稲女はぶさいく……もとい、美人とはいいかねる女子学生ばかりになるんだろうな。万が一にでも、美人だったら、絶対に早稲田には入れたくないな。
ま、理想をいえば、オックスフォード大学か、ケンブリッジ大学に進学してもらえるとうれしいかな。あそこは、男子学生の出身校であるパブリックスクール(全寮制の私立男子校)の伝統から、男子学生には同性愛者が多いからな。慶應義塾以上に安心のシステムだな。
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