2013年7月9日火曜日

大学の退学率が『読売新聞』に掲載されていた。

『読売新聞』の朝刊に2013年7月8日・9日と2回に分けて、大学の退学率などが掲載されていた。あまり有名でない大学のことを認(したた)めても、つまらなさそうなので、一定以上に知名度のある大学に関するものを書き記そう。

まずは、東京理科大学。学部によっては、入学後4年以内での退学率が26.6%で、4年後の卒業率が45.9%だった。東京理科大学出身者が「うちは5年制大学ですから」と言っていたのを思い出した。

国公立大学は、全体として、退学率は低く、4年後の卒業率は高い。さすがに、センター試験を受けて、さらに2次試験も受けなければならないだけのことはある。

大阪大学は、退学率は低いが、学部によっては、4年後の卒業率が38.5%のところがある。「京都大学では『単位』は空から降ってくる。神戸大学では道に『単位』が落ちている。しかし、大阪大学では穴を掘っても『単位』は見つからない」と言われるくらいに大阪大学は勉強が厳(きび)しいとされる。

一方、京都大学では、学部によって、4年後の卒業率が63.6%のところがある。学部・学科によっては、2年生から大学院生との共通授業があって、わけがわからなくなって、心が挫(くじ)ける学生もいるそうである。そういえば、整数論の加藤和也(今はシカゴ大学教授)が工学部で前年度の線形代数の落第者だけを集めたクラスで授業を担当していたことがある。それだけの人数が落第しているというのだから、並みレベルの大学とは較べものにならないくらいに水準の高い授業・講義をしているのだろう。

もっとも、国立大学の場合は、大学院に合格しなかったとか、国家公務員Ⅰ種試験(今は国家公務員総合職試験)でよい点数では合格できなかったとか、そういうことがあって、奨学金の返済を逃れるためにわざと留年する場合も少なくないから、4年後の卒業率が高くないからといって、必ずしも厳(きび)しいとはかぎらない。

東京外国語大学の4年後の卒業率は大学全体で38.2%だった。

ちなみに、第2外国語に関しては、私自身が大学生の指導もしているので、いくつかの大学ごとの語学の進み方がどういうものかを多少知っている。東京大学・早稲田大学を除いた東京六大学(慶應義塾大学については不明)や、いわゆる中堅上位をされる大学でのフランス語やドイツ語の進度は、まったく違う。少なくとも30年くらい前の東京大学・京都大学・大阪大学・早稲田大学では、文法事項が一般の大学の5倍の速度で進み、ひとつの文法事項に登場する熟語などの表現や単語も5倍である。つまり、一般の大学の概(おおむ)ね25倍の速度で授業が進む。4月に入学して、12月に、原書購読を辞書を引きながら読めるようにするには、それくらいの速度で授業を進めなければならない。そして、東京大学・京都大学・大阪大学・早稲田大学の学生はそれが「普通」だと思い込んでいる場合が多く、中堅上位の大学の第2外国語の授業の実態を知ると、驚愕(きょうがく)してしまう。なお、難関大学では第2外国語のフランス語の授業は週当たり4コマだが、京都大学では5コマである。週に1回は徹底(てってい)して発音を鍛(きた)えられる。大学院前期を終えたあたりでフランスに留学した際に、発音で恥をかかないようにと、逆算して、1年生の授業に発音の特訓を設定している。フランスに留学しないのが当たり前の大学、あるいはきわめてごく少数しか留学しない大学では考えられないことである。

ミッション系の大学で、かつ、比較的難関大学で、男子学生の就職がよくないところは、4年後の卒業率の高い傾向にあるように感じた。勉強の楽な大学出身の男子学生は、入社後に挫(くじ)けやすい傾向などがあるのだろうか?

早稲田大学はということ、退学率も卒業率も情報公開していない。おそらく、公開すると、無茶苦茶な数字になるからであろう。大雑把(おおざっぱ)にいうと、1万人が入学して、9千人しか卒業しない。大学卒業者を学士入学として3年生に編入している分を入れても10%が減っている。

また、早稲田大学理工学部の場合、平均評定が「B評定」以上、つまり80点以上である場合には推薦で大学院に進学できる。ということは、平均評定が「B評定」以下、つまり、79点以下の場合には、別個に大学院の入試を受けて合格しなければ進学できない。ということは、80点未満は「落ちこぼれ」と見なされていることになる。早稲田大学の場合、65%くらいは落ちこぼれているということになる。



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早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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