大学生だったのときのことだ。山手線(やまのてせん)で、隣にギリシア人のお姉さんがいた。
当時、私は詰襟(つめえり)の学生服をよく着ていた。毎日、服を選ぶのが面倒くさかったからである。
詰襟の学生服に興味を抱いたギリシア人のお姉さんが、学生服のことを英語で訊(たず)ねてきた。
「そういう服を着ている人をよく見かけるけど、それはどういう服なの?」
「制服 school uniform というものです」
その後、ギリシア人だということで、ギリシア哲学の話をしたり、都市国家スパルタの兵站能力(へいたんのうりょく)を論じた論文の話をしたりした。かなりマイナーなギリシアの哲学者の話もした。古代ギリシアの歴史やスコラ哲学についての話もした。
すると、そのお姉さんは、「あなたってすごいね」とか、「日本人って、本当にすごいわ」とか、そんなことを何度も言った。
真面目に勉強している哲学科の学生なら、それほど驚くほどのことではないと思ったのだが、私のことを12歳くらいだとそのお姉さんが思っていたのが原因だった。
実年齢(じつねんれい)の半分くらいに思われていたのだった。
そういえば、35歳のときに、25歳くらいだと日本人同士でも思われていたことがよくあった。
ヨーロッパ人と較(くら)べると日本人は若く・幼(おさな)く見える。その日本人の中でも、とびっきりの童顔(どうがん)なのだから、20代でも12歳くらいだと思われてもしかたがない。
小学生がスパルタの兵站能力やギリシア哲学について英語で話したら、そりゃあ、びっくりするだろうね。
でも、最近は、実年齢に外見が追いついてきている。
「それって、ただの老化じゃないのか」と、心の中で突っ込んだやつに言っておく。根拠(こんきょ)はないけど、反省しろ(本当に根拠はまったくない)。
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- 掃除機庵主人
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- 早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。
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