日本は、日本語だけで生活ができる国である。
発展途上国では、高校以上になると、英語の教科書を使って英語で授業をせざるを得ない。母国語の教科書がないからである。
ところが、日本では、余程の最先端技術などでないかぎり、かなり高度な内容のものまで、日本語で読める。
英語を必要とする人は、日本には1割程度しかいない。海外勤務者と、観光業に携(たずさ)わる人々、外資系の企業に勤めている者で、1割程度なのだという。
また、つぎのような議論もある。
たとえば、中学1年生から大学2年生を終えるまで、毎日、1時間、英語を勉強したとすると、「1時間×365日×8年+2日(閏年(うるうどし)=2922時間」となる。
概(おおむ)ね、3000時間になるわけだ。
卒業後、英語を必要としない職業に就(つ)く場合、この3000時間は、謂(い)わば、ただの無駄だったということになる。
一方、英語を母国語とする英国人やアメリカ人は、この3000時間を、ほかのことに取り組むことができる。元々(もともと)の能力が同じであれば、これでは国際競争に勝てない。
だから、この3000時間を、もっと有益なことに費(つい)やすべきではないのかという議論である。
さて、40年前だか、50年前だかに、入学試験から英語をなくしたほうがよいのではないかと質問した国会議員は、一般の人は、通訳と翻訳(ほんやく)を利用すればよいのだから、英語の試験は不要であるとしていたと記憶する。
そのときの答弁が意外なものだった。
入学試験から英語などの外国語をなくすと、英語などは選択科目になる。そうなると、ほとんどの人は外国語を選択しないだろう。
中学生に英語を教える能力しかない教員や、高校生に英語を教える能力しかない教員が多い。英語選択者が大幅(おおはば)に減(へ)れば、そうした教員は必要なくなり、その結果、大失業問題が発生する。
したがって、経済上の問題から、英語などの外国語を入学試験の科目から外(はず)すことはできない。
これには、意表を衝かれたな。
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- 早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。
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