2013年3月21日木曜日

1粒350円のチョコレートを女子生徒に配ったら、おもしろかったぞ。

 以前に、バレンタイン=デーに貰(もら)ったチョコレートをあちこちに横流しした結果、判明した女性の業(ごう)というのを認(したた)めた。

 その中で、こんなことを書いた。

 昨年までは無料で当校のプリントを添付ファイルとして配布していた。すると、頗(すこぶ)る成績が向上した子どもの親(の一部)が、バレンタインデーに高級チョコレートを贈(おく)ってきた。お中元やお歳暮もあった。

 贈られてきたチョコレートは生徒にあげたり、親御さんに横流ししたりした。

「毎年、毎年、1年間で食べたいちばんおいしいチョコレートが掃除機先生からのものだと悲しい」という生徒が何人かいた。

 ところが、学習プリントの添付ファイルでの無料配布をやめたから、今年は高級チョコレートが届かないと思うと言ったところ、女子中学生を中心に「学習用プリントの無料配布を再開しろ」運動が起こった。なんだか、質(たち)の悪い労働組合みたいだ。

 そういうことから、1粒350円のチョコレートを自腹(じばら)で買った。

 目黒区自由が丘にあるモンサンクレールMont St. Clairのボンボン=ショコラbonbon chocolatだ。レザベイユLes Abeillesで販売しているおふらんす産の蜂蜜(はちみつ)の入ったものだ。

「『この1年間で食べたいちばんおいしいチョコレートが掃除機先生からのものだと悲しい』と、昨年、一昨年と、そう言った生徒が何人かいたので、今日は、嫌がらせで、1粒350円のチョコレートをみんなに配るぞ。この1年で、食べたチョコレートでいちばんおいしいチョコレートが、こんなおっさんから貰(もら)ったものだと、悲しくなるだろう」と私は言った。

 色めき立った。

「すごい。1粒で、明治のミルクチョコ、3.5枚分じゃん」

「『うまい棒』35本分だと考えたほうがいいわ」

 どういうわけか、当校の周辺では、「うまい棒」換算(かんさん)でものを考える子どもが少なくない。

「この嫌がらせ、甘んじて受け入れようぞ……あ、おいしーぃ」

 この生徒は、変な時代小説かなにかを読んでいるにちがいない。

 女子高校生のひとりは、携帯電話で写真を撮って、「モンサンクレールの1粒350円のチョコを食べた」とTwitter(ツイッターというマイクロ=ブログ)に書き込んでいた。

 まあ、なんだか、ノリノリなのであった。

 その後、どんなふうにおいしかったのかをことばで説明するように求めたところ、初めての味なので説明できないという意味のことを小学生や中学生が言った。

 富裕層の女子高校生になると、いくぶん詳しく説明できるようになる。富裕層であっても、一般的には、小学生・中学生は贅沢(ぜいたく)をさせてもらえないので、高級チョコレートを語るのは難しいようだ。

 ロッテのガーナチョコレートのように砂糖が60%というものとはちがって、高級チョコレートは、賞味期限が短い。10日くらいのものがある。

 ある生徒が欠席したので、賞味期限の関係で、その生徒の分を、ちょうどお迎えに来たお母様に差し上げたところ、ピエール=マルコリーニPierre Malcoliniというチョコレート職人Chocolatierのチョコレートとの比較で、そのボンボンショコラの味の解説をしてもらった。ピエール=マルコリーニのチョコレートは、私も、たまたま、昨年、貰(もら)い物を食べていたので、少しはわかった気がした。

 また、生徒には言っていないのだけれども、1粒1050円(税込み)のチョコレートをお世話になった人に差し上げたのだけれども、同じような感想を耳にした。

 なんでも、ヨーロッパのチョコレート職人は、たとえば、シャンパンなどによって、どーんとアクセントをつけるが、日本人のチョコレート職人は、素材のよさを限界まで研(と)ぎ澄(す)まして、それらを組み合わせたものを作るそうである。

 チョコレートというヨーロッパ由来(ゆらい)の食べ物をも、日本人の優秀な職人は完璧(かんぺき)に「日本化」させているらしい。工業製品などではよくあることだけど、チョコレートでもそういうことをしているというのを見聞(けんぶん)すると、日本って、本当におもしろい国だし、その国に生まれたことがうれしい。

 まあ、結局のところ、私は食べていないから、細かいところの実感はないのだけど。男性でチョコレートに執着(しゅうちゃく)するのは、たぶん、あんまりいないんじゃないかな。

 うちの生徒たちは、おもしろいぞ。1粒350円のチョコレートを食べた後、こんなふうだった。

「また、嫌がらせをよろしくお願いしまーす」

 オメーら、ハモりながら言ってんじゃねーよ。

0 件のコメント:

ブログ アーカイブ

自己紹介

自分の写真
和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

人気の投稿

pageTacker

フォロワー

StatCounter

ashi@