2013年3月19日火曜日

まもなく、ワールドカップ最終予選のヨルダン戦なので、今更(いまさら)ながら、昨年(2012年)の日本代表との埼玉スタジアム2002での対戦について述べよう。

 まもなく、ワールドカップ最終予選のヨルダンJordan戦である。日程は2013年3月26日火曜日である。試合開始時刻は日本時間の23時(午後11時)だ。その試合が開催されるスタジアムは、アンマンにあるキング=アブドゥッラー=スタジアムKing Abdullah Stadiumだろう。

 2012年6月8日金曜日に、日本代表対ヨルダン代表は、埼玉スタジアム2002で戦った。

 それまでの対戦はつぎのとおりだった。

 2004年7月31日土曜日にジーコZico率いる日本代表は、アジアカップの準決勝で戦い、引き分けたが、PK戦を4対3で勝ち上がった。

 2011年1月9日日曜日にザッケローニ監督の下(もと)で、アジアカップのグループリーグで戦ったが、1対1の引き分けに終わった。選手の若返(わかがえ)りを図(はか)ったばかりだったということもあるだろう。

 以上の対戦から、2012年の埼玉スタジアム2002での試合では、ホームとはいえ、いくぶん苦戦するのかと思った向きもあろうが、実際には6対0の圧勝だった。

有利な点その1

 中東は緑が少ない。植物が少ないので、緑が好きである。サウジ=アラビア代表のユニフォームは緑色である。

 植物が少ないので、サッカー場の芝生(しばふ)にしても、緑が多くなるように、極端(きょくたん)に刈(か)り込んでいないようだ。そもそも、ワールドカップの芝生の長さは35mmが基準である。

 一方、たとえば、横浜Fマリノスの場合、試合のときに、17mmから18mmくらいの長さの芝生にしている。

 さらには、日本代表の岡田武史前監督はホームゲームでは20mmまで刈り込むことを競技場に要請したことがある。

 短く刈り込んだ芝生のほうがボールが転がりやすく、日本代表のように、パスを中心にしたサッカーを行なうチームに適している。

有利な点その2

 試合前に、水をじゃぶじゃぶ撒(ま)いていた。これも、ボールがよく転がるので、パス=サッカーに適している。

 ところが、6月のヨルダンの月間降水量は0.0mmなのである。雨がまったく降らない。

 6月に雨の降らない国からやって来て、びしょ濡(ぬ)れの芝生でサッカーをやらされたのである。滑(すべ)った選手がいたり、ちょっと足許(あしもと)があやしい選手がいたりしたような記憶があるのだが。

有利な点その3

 ヨルダン代表の練習に千葉県にあるサッカーグランドを提供したが、どこなのか、一切(いっさい)、報道されていない。報道機関に緘口令(かんこうれい)を敷(し)いたとしか思えない。ということは、なにか裏がある筈(はず)だ。尤(もっと)も、『サッカーマガジン』などの専門誌では報道されていたかもしれないが。

 そこで、思い出したのが、1993年のJリーグ開幕年にジーコがやった手だ。その逆を日本代表のスタッフたちはやったのではないだろうか?

 ジーコが所属していた鹿島アントラーズのカシマサッカースタジアムにある練習用グランドの芝生を短く刈り込み、やってきた対戦チームの試合前の練習に提供した。メインスタジアムは、「芝が傷(いた)むから」という理由で、試合開始まで使わせなかった。

 ところが、カシマサッカースタジアムのメインスタジアムは、長い芝生にしてある。表向きの理由は、ジーコが高齢であるため、膝(ひざ)にかかる負担を軽減するためというものであった。対戦相手が短い芝生の感覚でパスを出すと、ボールが途中で止まってしまう。

 こうして、鹿島アントラーズはJリーグ元年の開幕戦では名古屋グランパスエイトを相手に5対0で快勝し、そのままの勢いで前期優勝した。当時の選手層の厚さからすると、どう考えても川崎ヴェルディ(現・東京ベルディ)が優勝するとたいていの者は思っていたにも拘(かか)わらずである。

 2012年6月8日の対ヨルダン戦に向けて、同じようなことをしていたとすれば、つぎのことが考えられる。

 まず、前日の練習場として提供した千葉県にあるサッカーグランドの芝は、35mmにしておく。

 ついで、試合直前の練習用に使用させたグランドも35mmの芝にしておく。埼玉スタジアム2002には天然芝の第2グランドと第3グランド、ならびにロングパイル人工芝の第4グランドがある。

 こうしておけば、ヨルダン代表の選手にしろ、監督にしろ、35mmの芝生で試合をすると思い込む。中東の芝生は、もともと、長めであるということもあって、短い芝生用のサッカーシューズを用意していなかった可能性もある。

 もしも、長い芝生用のスパイクしか用意しておらず、長い芝生のグランドでしか練習をさせてもらえず、不意に短く刈り込んだピッチで試合をやらされる破目(はめ)に陥(おちい)り、しかも、降水量0.0mmの時期の国からやってきて、ピッチはビショ濡れときたら、水で滑(すべ)ったバウンドも読みにくいだろう。実力は発揮(はっき)できないだろう。

 事実、ヨルダンの選手の走り方や、足許(あしもと)の動きが、ちょっとおかしいと感じた。

 ということで、ルール違反にならない範囲で小技(こわざ)を使いまくる日本代表であった。

 ま、このくらいのことはサッカー先進国なら、どこでもやっているんだけどね。

 私の知るかぎり、以上のことがらを敗因(はいいん)に挙(あ)げていなかったので、ヨルダン代表監督アドナン=ハマドAdnan Hamadはじつに男らしい。顔は怖(こわ)いけど。

 しかし、今度のヨルダン戦は、荒れたピッチで、かつ、長い芝生で行われるので、日本代表は苦戦するだろう。できれば、この予想が外れて、快勝しますように。

 この試合に勝てば、ワールドカップの出場が確定する。ということは、その後の試合では、いろんなことが試せるし、早々にワールドカップに向けての準備を始めることができる。そうなって欲しい。

 下の画像はヨルダン代表のアドナン=ハマド監督。耳が大きいのは、知将(ちしょう)の証(あかし)だ。でも、笑った顔も怖(こわ)いよ。私はハマドの面構(つらがま)えが大好きなんだけど。

追記:試合の開始時刻を日本側の要望に合わせ、日本側の希望どおりに、試合前にピッチにスプリンクラーで水を撒(ま)いたが、ヨルダン側の要望を日本側は一切、受け入れなかった。にも拘(かか)わらず、ヨルダンは日本を1対2で退けた。前半の選手交代などを見ると、ハマド監督はやっぱり知将だ。顔は怖いけど。
















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早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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