2013年1月28日月曜日

東京都立高等学校の偏差値が上がれば上がるほど、主要5教科の教員のレベルも上がる理由

 東京都立高等学校の偏差値が上がれば上がるほど、主要5教科の教員のレベルも上がる。ということは、偏差値の低い都立高校に進学すると、レベルの低い教員に教わることになるし、更(さら)には、使用している教科書のレベルも下がるので、難関大学には進学できなくなる。偏差値が58を切ると早稲田大学の底辺学部も無理になる(スポーツ推薦などを除く)。

 偏差値の高い都立高校の教員のレベルが、それに応じて高いのは、都立高校の進学実績が上がるようにと、石原慎太郎・前都知事が画策した結果である。

 進学実績を上げろと命じただけでは、さほどの効果は期待できない。そこで、上位の高等学校の校長に強い権限を与えた。

 それ以前には、教員の移動は「垂直移動」であった。頗(すこぶ)る優秀な教員でも、底辺校で教鞭(きょうべん)を執(と)るということがあった。

 教員の移動は3年毎(ごと)だった。ある高等学校に3年間、勤務すると移動するという仕組みだったのである。

 ところが、平成12年以降、校長の権限が強化されてから、当該(とうがい)の校長が手放したくない人材であれば、申請書などを提出し、1年間の延長が認められるようになった。極(きわ)めて優秀な教員の場合、平成12年以降、一旦(いったん)、優秀な高校で勤務すれば、毎年、1年間の延長が繰り返されるようになった。

 一方、授業が下手で、学識(がくしき)も教養もない教員の場合、勤務してから1年後には、校長権限で他校へ移動させられる。

 ある都立高校の校長が、転任してきた教員を紹介するにあたって、「4年かけて私が口説(くど)き落として、○○高校から引き抜いてきました」と自慢することもあった。

 また、授業で極左思想(きょくさしそう)をばら撒(ま)く教員も排除(はいじょ)されているようだ。君が代反対(きみがよはんたい)・国旗掲揚反対(こっきけいようはんたい)という教員が都立高校では減っているように感じているからだ。極左思想の持ち主は信念を貫(つらぬ)いて底辺校に飛ばされるくらいのことをしなければならないと思うのだけど、信念が足りないのかもしれない。

 以上のことから、下位の都立高校には優秀な教員がいないことになる。

 これについては、経営学でいうところの「選択と集中」からすれば仕方がないことだろう。

 軍隊に優秀な人材が必要だったとき、陸軍士官学校にしても、海軍兵学校にしても、給料を支払いながら、前途有為(ぜんとうい)の人材の養成に励(はげ)んだということもあり、貧困層(ひんこんそう)でも受験できたから、入学試験に合格するのは、今の東京大学よりも遙(はる)かに難しかった。

 なお、最上位の数校で、10年、あるいはそれ以上、勤務しているとなれば、その間に校長も変わっても、手放したくないとされる人材であるということがわかる。

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早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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