2013年6月10日月曜日

ソード=スリーが意味するもの:宇宙戦艦ヤマト2199

『宇宙戦艦ヤマト2199』第五章第18話で、篠原弘樹(しのはらひろき)のコード=ネーム(コールサイン)が「ソード=スリー」であることが明かされる。篠原は山本玲(やまもとあきら)の兄・明生(あきお)に憧れを抱いており、その明生が使用していたコード=ネーム「ソード=スリー」を使っている。

そして、彼が所属するのは、(第)343航空団である。

ソード=スリーはSWORD THREEだろう。SWORDの意味は「(つるぎ)」である。SWORDのWは発音しない。

そう、これは、帝国海軍の2代目「第343海軍航空隊」、通称・剣部隊(つるぎぶたい)を表している。第343海軍航空隊は3個戦闘飛行隊から構成され、それぞれが48機の定数であった。宇宙戦艦ヤマト2199の343航空団も48機から構成される。

剣部隊は、戦闘第701飛行隊・戦闘第407飛行隊・戦闘第401飛行隊・戦闘第301飛行隊・偵察第4飛行隊から成る。それぞれの通称は以下のとおり。

戦闘第701飛行隊:維新隊(いしんたい)
戦闘第407飛行隊:天誅組(てんちゅうぐみ)
戦闘第401飛行隊:極天隊(ごくてんたい)
戦闘第301飛行隊:新撰組(しんせんぐみ)
偵察第4飛行隊:奇兵隊(きへいたい)

『宇宙戦艦ヤマト2199』の登場人物には新撰組に由来する名前が多い。それに、篠原弘樹という名前は、大日本帝国陸軍の戦闘機操縦者・篠原弘道(しのはらこうどう)とともに、新撰組隊士・篠原泰之進(しのはらたいのしん)に由来するようである。

なお、命名の由来のひとつである篠原弘道(しのはらこうどう)は大日本帝国陸軍の軍人、戦闘機操縦者である。1939年5月27日の初陣(ういじん)で4機撃墜、翌日28日に6機撃墜し、即座にエース=パイロットとなる。初陣(ういじん)から戦死するまでのわずか3か月で58機を撃墜(げきつい)。1日だけで11機撃墜の記録をもつ。この記録を上回るのはドイツ国防軍空軍のエーリヒ=アルフレート=ハルトマンErich Alfred "Bubi" Hartmannの1日12機だけである。「東洋のリヒトホーフェンRichthofen」との異名をもつ。篠原弘道にしても、リヒトホーフェンにしても、戦死している。

SWORD THREEのコード=ネームを使用している篠原弘樹は、戦闘第301飛行隊・新撰組の戦闘機隊長をも、モデルにしている可能性がある。戦闘第301飛行隊の戦闘機隊長である菅野直(かんのなおし)は、1945年8月1日、機銃筒内の爆発により、行方不明となった。生死すらわからないままである。

ちなみに、初代第343海軍航空隊の通称は隼部隊(はやぶさぶたい)である。篠原が搭乗するのは99式空間戦闘攻撃機コスモファルコンであるが、ファルコンfalconは「隼」のことである。

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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