2013年6月23日日曜日

高校生のうちに「ブス磁石」と呼ばれた男

 私の知り合いで「ブス磁石(じしゃく)」と呼ばれた男がいる。

 彼は、女子生徒の美醜(びしゅう)に拘(かか)わりなく、自分の席の隣や前後の女子生徒に気楽に世間話をして、関西人特有の「お笑い」ネタもかましていた。

 地味な女子生徒の場合、基本的には男子生徒からは話しかけられることは少ない。人によっては、中学・高校と男子生徒を話をしたことがないという女子生徒がいるくらいである。

 ところが、彼の座席の周囲にいると、なにかと話しかけられる。それも、ちゃんとオチをつけるようなネタであった。かなり面白い。

 そんな彼が、大学進学後、夏休みに田舎(いなか)に帰省(きせい)した際に、同級生と出逢った。その同級生の3年生の時のクラス同窓会があるという。高校は人数が多すぎるので、学年ごとの同窓会は行なわず、クラス単位で同窓会が行なわれることが多い。彼はそのクラスの出身ではなかったが、気さくで人当たりがよいので、暇なら来ないかと誘われ、出向いた。

 すると、女性たちが彼のいるテーブルに集まった。男性ひとりに女性たちが群がっている様子だったという。東京大学や京都大学ほどではないにしても、それなりの難関大学に彼が進学していたこともあるのかもしれない。

 そのクラス同窓会が終わってから、同級生の男性から「お前はすごいブス磁石(じしゃく)だな」と言われたという。

 ブス磁石という表現には感心した。

 さて、以上の話をうちの生徒に話したところ、将来、ブス磁石になりそうな男子高校生がいたので、「あの人は、高校卒業後の同窓会でぶさいくな女の子が集まるブス磁石になっちゃうんだろうなあ」と言ったところ、周囲から叱責(しっせき)されたという。

「あんないい人のことをそんな風にいうのはよくないわ」という具合いであったそうだ。

 都立高校でも最優秀レベルで、そこで、ある文化部の部長であり、かつ、生徒会役員でもある。しかも男前で、女子生徒の外見とは関係なしに、いろいろと面白い話をするのだそうだ。いい奴じゃないか。それを「ブス磁石」と言ってしまったわけだ。

 そこで、当校で聞いた上記の話をしたところ、周囲の全員が納得して、確かに、あの人は、将来、ブス磁石になるわねえとなったという。

 しかも、その後、彼の陰(かげ)の渾名(あだな)は「ブス磁石くん」になったという。こんな渾名(あだな)がつくのは、たぶん、美人や可愛い女子生徒の嫉妬(しっと)があるのではないかと思う。どうも、そんな気がする。

 それにしても、ブス磁石にもなれない私の立場はどうなのだろうか?

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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