麻生太郎が読み間違えた漢字はつぎのとおり。
有無 うむ
措置 そち
踏襲 とうしゅう
詳細 しょうさい
頻繁 ひんぱん
未曾有 みぞう
物見遊山 ものみゆさん
思惑 おもわく
低迷 ていめい
順風満帆 じゅんぷうまんぱん
破綻 はたん
焦眉 しょうび
完遂 かんすい
前場 ぜんば
実体経済 じったいけいざい
詰めて つめて
疑って うたぐって
怪我 けが
完遂(かんすい)は、副詞の「遂に」(ついに)があるので、うっかり間違える人が多い。ついでに「遂行(すいこう)」もチェックしておこう。
思惑(おもわく)は、「思う」という動詞の未然形に、準体助詞の「く」がついてできたことばである。準体助詞とは、用言の後ろについて、体言と同じ働きをさせるもの。「思わく」は「思うこと」「思ったこと」くらいの現代語に直訳できる。この「思わく」に当て字をしたのが「思惑」である。「おも」は動詞の語幹で、「わく」のところが音読みの漢字というのは、一般的にはピンとこない構成だろう。だから、一部の辞書は両方の漢字を音読みで読む「しわく」も許容範囲にしているのだが。
後ろの5つは出題されそうにはない。麻生太郎がどのように読み間違えたかはここでは書かない。間違えたほうをうっかり憶えてしまう人っているんだよね。
本当のところは、このくらいの偏差値の高校なら、これとこれを書けるようにとか、中堅大学を受験するなら、これとこれという具合にもう少し細かく指示しないといけないのだが。
これだけ話題になったのであるから、茶目っ気のある出題者なら、書き取りで出題するだろう。他人の読み間違いを笑っておいて、試験で書けなかったとなれば、受験生への精神的ダメージは大きい。
一般的な傾向としては、話題になったものや日常的に見かけるものは、私立高校・私立大学では平気で出題してくる。
漢字ではないが、たとえば英単語の場合、早稲田大学本庄高等学院の英語の問題の場合、中学生にこの単語はきついだろうと思わせるもののほとんどは、過去問に登場しているか、あるいは日常的に見かけるカタカナことばから推測できるものである。leap(跳躍する)が長文に出てきたが、SFなどではごくふつうに「タイムリープ(時間跳躍)」ということばが使われている。swiftlyという副詞が長文に登場したが、スズキが製造・販売している自動車に「スイフト」SWIFTがあり、swiftの意味が「迅速な」という形容詞であることを知っていれば推測できるものであった。テレビなどで見かけるようになると、その英単語は単語集に掲載されていなくとも中堅大学でも出題されるようになる。こうしたことについては、いずれ、詳しく述べる予定。
ところで、麻生太郎の読み間違いは「読字障害」の疑いがあると指摘する医師がいた。もし、その指摘が正しいのであれば、障害者いじめを報道機関が行なっていたことになるんだが。
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