2009年2月6日金曜日

麻生太郎が読み間違えたので、高校受験・大学受験の直前にこの漢字はチェックしておこう。

 一時期、麻生太郎が漢字を読み間違えたとの報道が相次いだ。こういうことがあると、高校にしろ、大学にしろ、「うちの生徒(または学生)も、これが読めないやつが多いんだよな」という感想を出題者が抱くと、ついつい出題してしまう。だから、麻生太郎が読み間違えたもので、高校受験あるいは大学受験で出題するに相応しいものの出題校は例年よりも多くなるはずである。あ、でも、よく考えたら、もともとよく出題されているものが多いなあ。

 麻生太郎が読み間違えた漢字はつぎのとおり。

有無 うむ
措置 そち
踏襲 とうしゅう
詳細 しょうさい
頻繁 ひんぱん
未曾有 みぞう
物見遊山 ものみゆさん
思惑 おもわく
低迷 ていめい
順風満帆 じゅんぷうまんぱん
破綻 はたん
焦眉 しょうび
完遂 かんすい
前場 ぜんば
実体経済 じったいけいざい
詰めて つめて
疑って うたぐって
怪我 けが

 完遂(かんすい)は、副詞の「遂に」(ついに)があるので、うっかり間違える人が多い。ついでに「遂行(すいこう)」もチェックしておこう。

 思惑(おもわく)は、「思う」という動詞の未然形に、準体助詞の「く」がついてできたことばである。準体助詞とは、用言の後ろについて、体言と同じ働きをさせるもの。「思わく」は「思うこと」「思ったこと」くらいの現代語に直訳できる。この「思わく」に当て字をしたのが「思惑」である。「おも」は動詞の語幹で、「わく」のところが音読みの漢字というのは、一般的にはピンとこない構成だろう。だから、一部の辞書は両方の漢字を音読みで読む「しわく」も許容範囲にしているのだが。

 後ろの5つは出題されそうにはない。麻生太郎がどのように読み間違えたかはここでは書かない。間違えたほうをうっかり憶えてしまう人っているんだよね。
 本当のところは、このくらいの偏差値の高校なら、これとこれを書けるようにとか、中堅大学を受験するなら、これとこれという具合にもう少し細かく指示しないといけないのだが。

 これだけ話題になったのであるから、茶目っ気のある出題者なら、書き取りで出題するだろう。他人の読み間違いを笑っておいて、試験で書けなかったとなれば、受験生への精神的ダメージは大きい。

 一般的な傾向としては、話題になったものや日常的に見かけるものは、私立高校・私立大学では平気で出題してくる。
 漢字ではないが、たとえば英単語の場合、早稲田大学本庄高等学院の英語の問題の場合、中学生にこの単語はきついだろうと思わせるもののほとんどは、過去問に登場しているか、あるいは日常的に見かけるカタカナことばから推測できるものである。leap(跳躍する)が長文に出てきたが、SFなどではごくふつうに「タイムリープ(時間跳躍)」ということばが使われている。swiftlyという副詞が長文に登場したが、スズキが製造・販売している自動車に「スイフト」SWIFTがあり、swiftの意味が「迅速な」という形容詞であることを知っていれば推測できるものであった。テレビなどで見かけるようになると、その英単語は単語集に掲載されていなくとも中堅大学でも出題されるようになる。こうしたことについては、いずれ、詳しく述べる予定。

 ところで、麻生太郎の読み間違いは「読字障害」の疑いがあると指摘する医師がいた。もし、その指摘が正しいのであれば、障害者いじめを報道機関が行なっていたことになるんだが。

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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