2009年2月28日土曜日

入試問題からその学校の学生・生徒の弱点をちょっと考えてみる。

入試問題で出される問題は、大学・高校ならびに中学校からすると、今後の学習・勉強のために必要なことがらが盛り込まれているが、同時に、授業などで、その学校の生徒ができなかった問題を出す場合もある。

「最近の学生はこんなことも知らないのか」と思った教官・教員が、翌年の入試で出題することもある。

入試問題を見れば、この大学の学生はこれを知らない学生が多くなったということが見て取れる。

東京大学で加法定理を証明させる問題が出されたが、これは定理を証明できない学生が増えていることを示している。

早稲田大学教育学部では「耳順」の意味を訊ねる問題が出されたが、このことからわかることは、最近の早稲田大学教育学部の学生は『論語』の有名箇所すら知らないということが窺(うかが)われる。

出典はつぎのとおり。

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子曰、吾十有五而志學、三十而立。四十不惑、五十知天命。六十而耳順、七十而從心所欲不踰矩。

子曰く、「吾十有五にして学に志し、三十にして立つ。四十にして惑はず、五十にして天命を知る。六十にして耳順ひ、七十にして心の欲する所に従ひて矩(のり)を踰(こ)えず」と。

先生はおっしゃった、「私は十五歳で学問に志し、三十歳で自立した。四十歳で狭い枠にとらわれないようになり、五十歳で天命を知った。六十歳で人の言うことを逆らわないで聴けるようになり、七十歳で心の欲するままに任せても限度を超えなくなった」
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早稲田大学理工学部では、英語の試験で対偶を利用できるかを試す問題が出された。数学で対偶は習っているのに、英語で対偶を利用しないと解けない問題が出されたということは、数学では対偶を活用することはできても、日常の議論などでは有効に利用できない学生が少なくないということを示唆(しさ)していると考えられる。

こんなふうに、問題を見ながら、その学校の生徒・学生がどういうものかを考えることができるわけだが、ちょっと古い問題だが、最初、不可解に思う出題があった。

慶應義塾女子高等学校の漢字の書き取りだ。

屋台」が出題されたことがある。

いくらなんでも、慶應義塾女子高等学校で、この出題はないだろうと思ってしまったが、ひとつの仮説に辿(たど)りついた。

慶應義塾女子高等学校での出題というのがポイントだ。

並みのレベルの高校で出題したら、ただの易問にすぎないはずなのに、慶應義塾女子高等学校で出題されたということは、そこの生徒には「屋台」が書けない者が少なからずいるはずである。

「屋台」が書けない生徒がいるのは、お嬢さますぎて(それも勉強がものすごくできるお嬢さま)、屋台で買ったたこ焼きを食べたりはせず、屋台そのものの存在が、身近ではないからである。育ちがよすぎるので「屋台」が書けないわけだ。ただし、このことから、慶應義塾女子高等学校がいわゆる「庶民」を入れたがっていると考えてはいけない。庶民が普通に知っている漢字の熟語も書けるようにしておけというメッセージにすぎないのである。

ちなみに、当校の中学生以上の女子生徒は全員、「屋台」が書けてしまいました(笑)

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早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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