ビデオ=ゲームについて詳しい中学2年生の男子生徒に「テイルズ=オブ=なんとか」について訊(たず)ねた。
「テイルズ オブ シリーズ」というものがあって、その中でも第2作のTales of Destiny(テイルズ=オブ=デスティニー)が特に人気があるそうだ。ロール=プレイイング=ゲーム(RPG, Role Playing Game)だそうだ。
話を聞いていると、作品名を略して、「テイルズでは……」と彼は言っていた。「テイルズ」で「テイルズ=オブ=デスティニー」のつもりなのだが、シリーズ物なのだから、ほかにも「テイルズ オブ ……」という作品があり、この略(りゃく)し方は適切であるとは言いかねる。
このことを指摘したところ、今度は、Tales of Destinyの頭文字をとってT. O. D.(ティー=オー=ディー)と呼ぶようになったのだが、私は、つぎのように言った。
「T. O. D.(ティー=オー=ディー)と言われると、頭の中にTodという文字列が浮かぶのだが、Todはドイツ語で『死』のことで、気分がよいわけではないから、略さずに、『テイルズ=オブ=デスティニー』と言ってくれないか。書くのとちがって、しゃべる場合は、それほど面倒ではないだろう」
彼は、ひどく驚いていた。まるで天地がひっくり返ったかのような驚き方だった。彼によれば、こういうことだった。
去年の6月に発生した秋葉原無差別殺傷事件の犯人は「テイルズ=オブ=デスティニー」のマニアで、事件後、中学の卒業アルバムに犯人が描(か)いた男性キャラをマスコミが紹介したんです。でも、間違って、女性の絵だと報道したことがあったんです。そっかぁ、あれだけの殺人を犯したやつの好きなゲームの頭文字をつなげると、Tod、ドイツ語で「死」となるとは……。「テイルズ=オブ=デスティニー」には、そ、そんな秘密が隠されていたんですね!
単なる偶然にすぎないと思うぞ。
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