2009年9月4日金曜日

おいしい料理を作るよりも、はるかに難しいのが「まずいカレー」

「まずいカレーって、なかなか作れるもんじゃありませんよね」
 唐突(とうとつ)に生徒が言った。
「喫茶店のカレーなどで、コクが足りないカレーとか、味が平板な感じのするカレーは記憶にあるけれど、『きっぱりとまずいカレー』は、記憶にはないなあ」
「ですよね。でも、今日の給食のカレーは、本当にまずかったんです」

 その後、同じ給食を食べた別の生徒ふたりに、カレーの味について訊(たず)ねたところ、まずかったという。

 確かに、まずいカレーをこしらえるのは難しいだろう。多少、調理時間を変えても、それほど味に違いは出ない。隠し味で違いが出るとか、コクが足りないとか、そういう違いはある。また、じゃがいもが崩(くず)れているのは厭(いや)だとか、人参を摩(す)り下(お)ろして入れたほうが好きだとか、好みの違いはある。しかし、ものすごくまずくなるということは考えにくい。
 
 いろいろと訊(き)いたところ、カレーのルーをきちんと溶かさなかったのが原因らしく、さらに、ご飯が硬かったので、輪をかけてまずいと感じたらしい。

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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