高校野球の人気がないとはいえ、関西と関東とでは、視聴率がまったく違う。
因果関係からすると、どちらが先なのか、判然とはしないが、高校野球賭博があり、賭けているからこそ、甲子園を熱心に観戦するともいえるし、同時に、甲子園が関西にあることから、関西の人は高校野球をテレビ観戦し、そこから、高校野球賭博に手を染めてしまうのかもしれず、どちらが先なのかはわからないが、いずれにしろ、賭けているからこそ、熱心に高校野球を観戦する。
関西では、気軽に高校野球賭博を行なう。安いところでは、ベスト8が出揃(でそろ)ったところで、1口千円を賭けて、優勝チームに賭けた者が8,000円を総取りするというものがある。
本格的なプロ野球賭博もあるが、一般人は手を出さない。その一方で、関西の人は、職場など、身近なところで、気楽に甲子園賭博をするのである。
今年の高校野球は、それほどおもしろそうだとは思えないとなると、関西以外の地方では視聴率が急激に下がるが、関西では、他の地域ほども急激な下がり方はしない。賭けているからである。お金がかかっているから、目が離せないのである。
現ニューヨーク=ヤンキーズの松井秀喜が、石川県の星稜(せいりょう)高等学校に在籍していた1992年の夏の甲子園大会2回戦で、高知県の明徳義塾(めいとくぎじゅく)高等学校が、松井秀喜に対して5打席連続敬遠を行ない、3対2で星稜高等学校に勝った。
星稜高等学校の応援団が激怒するのは理解できなくもないが(個人的には、ルールの範囲内なので、怒(いか)るべき対象はルールであって、敬遠ではないと思うのだが)、それ以外の人が憤慨するのはおかしいと思うのが当然ではなかろうか?
にもかかわらず、試合直後から「選手に危害を加える」などの恐喝(きょうかつ)電話があり、多数の抗議の電話も寄せられたようだ。
たかが、子どもの野球でそこまで憤慨(ふんがい)するのはおかしいと思うのが冷静な理性の持ち主ならば普通だろう。
本気で怒り狂ったのは、高校野球賭博の胴元であり、星稜高等学校に大金を賭けた博徒(ばくと)である。胴元の場合、松井秀喜の実力を高く評価して、明徳義塾高等学校にハンディキャップを与えた胴元だと、おそろしいくらいに大損をこいている。
そうなると、「選手に危害を加える」くらいには脅したくなるものであろう。
こうした騒動につられて、正義の遂行(すいこう)のつもりで、明徳義塾を批判した連中は、こうした事情がわからない連中である。また、全打席敬遠が不当なことであるならば、ルールを改正しているはずだが、改正はしていない。
5打席連続敬遠を批判した者は、マリナーズのイチローがホームランを狙わないのはけしからんとでも思っているのだろうか? 思っていなかったら、首尾一貫していないということになると考えられるのだが、こういう種類の人は、自分の考えが首尾一貫していないということにすら気づいていないだろう。
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