30歳以下は、基本的には、ひとりっ子である。となると、人民解放軍の兵卒(へいそつ)は、基本的にひとりっ子であり、人民解放軍は「ひとりっ子軍隊」である。
ひとりっ子軍隊。
なんとなく、怖いな。
自分が指揮官だったとしたら、扱いにくそうで厭(いや)だな。むしろ、指揮はしたくない。
また、対戦するとなると、一個大隊が従来の軍事常識からは考えられない展開をしそうな気がしてくる。動きが読めない可能性もありそうだ。
幼少の頃から、困ったことがあれば、両親あるいは祖父母がなんとかしてくれるという発想が身についている人間が圧倒的多数派を占める軍隊である。相当にいいかげんなことをしそうな気がする。
ところが、適当なことをして展開したにすぎないのに、対戦しているほうは「むむむ、これは……。常識では考えられない展開の仕方をしている。……なにか裏があるのだろうか?」と、悩み始めてしまう可能性もなくはない。
そんなふうに、場合によっては、プラスに働くこともあるかもしれないが、最終的には、ひとりっ子軍隊であることを踏まえれば、たやすく対処できるようになるだろう。
今後は、指揮官までもひとりっ子ばかりになりそうだ。
もともと弱いということで有名な軍隊が、さらに弱体化しそうだ。
追記:「ひとりっ子軍隊」の対義語を考えた。「ひとりの軍隊」だ。これは、AK-47という突撃銃assault rifleを開発したミハイル=カラシニコフMikhail Kalashnikovに、M16アーマライトArmaLiteの改造銃を愛用する理由を訊ねられた際のゴルゴ13の答え「俺は一人の軍隊だ」に由来する。すべての作戦は自分で考え、すべてを自分で敢行(かんこう)し、すべての責任を自らが背負う軍隊ということだ。
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