「まじで半端(はんぱ)ないです」が省略されたものだそうだ。「ぱねえっす」あるいは「ぱねえす」「ぱねー」だけで使うこともあるそうだ。
これは、教えてもらわないとわからないな。ある年齢以上で、「まじっぱねえっす」から、「まじで半端ないです」に自力でたどりつける人がいるのだろうか?
「まじ」そのものが「真面目(まじめ)」の略されたものだから、さらに遡(さかのぼ)ると、「まじっぱねえっす」は「真面目に半端ないです」が変化したものといえなくもない。だが、「真面目に半端ないです」と書くと、もとの表現のもつ「感じ」が出ない。その理由はというと、「真面目」が元だとはいえ、意味が変化して、ここでは「真面目」が「本当」の意味に変化しているからである。こういうことは、頭が悪くなければ、すぐにわかるはずだが、語源的な考察ができない場合、「真面目に半端ないです」に強い違和感を抱くだけで終わってしまうらしい。頭が悪くなければ、すぐに「本当に半端ないです」ということだと、脳内で変換でき、納得できるはずである。「まじ」は「真面目」の略されたものだが、たとえば、人口に膾炙(かいしゃ)されている「『本気』と書いて『まじ』と読む」などの表現から、「まじ=本当」とだけしか考えず、真面目→まじ→本気・本当という流れが見えていないからであろう。
ところで、初めの部分を省略する言語表現はよくみられる。
「ばっくれてんじゃねえ」は「しらばっくれてんじゃない」つまり「しらばくれているのではありません」が変化したもので、「んだよぉ」は「何だよぉ」が変化したものだ。
遡(さかのぼ)って、江戸っ子が口にする「てやんでぇい」は「何、言ってやんでえ」つまり「何を言っているのですか」が変化したものだ。
英語では、becauseを 'cause と書いたり、 'coz と書いたりする。また、It was ...を 'Twas ...と、Iを省略した上に、1語で表記する場合もある。
人間というのは、すぐに舌がだらけて、きちんと発音するのが面倒になるものらしい。
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