2009年5月19日火曜日

最近、答えられなかった生徒の質問:ドキンちゃんは、どうして、しょくぱんまんが好きなのですか?

 「ドキンちゃんは、どうして、しょくぱんまんのことが好きなんですか?」という質問を受けた。ドキンちゃんも、しょくぱんまんも、『それゆけ! アンパンマン』に登場するキャラクターである。今、「登場人物」と書こうとして、黴菌(ばいきん)と食品なので、「登場するキャラクター」とした。
 この質問には困った。
 そもそも、『それゆけ! アンパンマン』のアニメも絵本も見たことがない。今回のことがなければ、「しょくぱんまん」が正式な表記であって、「食パンマン」ではないということも知らなかったくらいだ。わかるわけがない。
 それで、終わりにするというのもなんだから、「やっぱり、しょくぱんまんが男前だからじゃないのかな」と、とりあえず、答えておいた。
 その後、ウェブで調べたところ、MSN.相談箱に答えがあった。引用に際して、一部、表記を改めた。

ドキンちゃんが、足をケガしているふりをして、しょくぱんまんがそちらに気をとられているうちに、ばいきんまんが車からパンを盗む作戦だったが、そのときのしょくぱんまんがとても紳士的だったので、好きになってしまった。

 そのつぎの授業で、以上の内容を子どもにもわかるように話したところ、感動していた。それのみならず、その内容をノートにまとめていた。ノートを覗(のぞ)いてみた。

足をケガしたふりをしたドキンちゃんを、しょくぱんまんが助けようとしているすきに、ばいきんまんがしょくぱんまん号からパンをぬすむ計画だった。しょくぱんまんが親切だったので、ドキンちゃんはしょくぱんまんがすきになった。

 日本の経済よりも、ドキンちゃんがしょくぱんまんのことが好きな理由のほうが、小学生には大事なんだろうなと思いながら、同時に、小学3年生にして、こんなふうにまとめられるということに、たいそう感心してしまった。

 小さな子どもは、丸いものが好きである。アンパンマンの顔は丸だけで構成されている。ミッキー=マウスMicky Mouseは大きな丸ひとつと、小さな丸ふたつでできているといえる。
 小さな子どもが丸いものが好きなのは、人間の目が丸いからである。子どもは生まれると、母親の目を見てすごす。目は丸い。だから、人間は、最初、丸いものに親近感をおぼえる。
 赤ん坊が、なにを以(も)って母親を認識するかという実験がある。母親の写真をさまざまなパーツのない写真に加工する。耳を削除した写真や、眉毛を消去した写真や口のない写真という具合である。こうした実験の結果、目がきわめて重要だということが判明した。極端な場合、鼻・口・眉毛・耳・頭髪がなくとも、目さえついていれば、自分の母親だと、赤ん坊は認識する。一方、ほかにはなにも手を加えていなくても、目がなければ、母親とは認識しない。目だけのない母親の写真を見せると泣き出す赤ん坊もいる。
 小さな子どもは丸いものが好きという観点からすると、四角い顔のしょくぱんまんが好きというのは、相当な謎ということになりそうだ。ドキンちゃんがしょくぱんまんのことが好きな理由が、小学生中学年(低学年)にとって、大問題であるのは、このあたりに理由があるのかもしれない。 

  

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和歌山県橋本市出身。世界文化遺産である高野山の麓です。
和歌山県立橋本高等学校を経て、早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業。
B型Rh+。天秤座。家紋は「丸に九枚笹」。
大叔父(おおおじ)は精鋭集団である帝国陸軍航空審査部所属で、「キ61(きろくいち)の神様」と呼ばれた坂井雅夫少尉。キ61は三式戦闘機「飛燕(ひえん)」のことである。

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