学費値上げ闘争でさえ、私は理解できないでいたから、「冷房を入れろ!」なんて要求で当局側と闘争をしようというのは、なんの意味があるのだろうかと思った。
闘争目標があまりにもしょぼいので、この時点で駄目だと思ったが、一般学生には「冷房は、ないよりは、あったほうがいいかな」と思う者がいなくもなかった。
ビラを読むと、確か、こんなことが書いてあった。
専修大学は、全室冷房が完備されている。早稲田に冷房がなくてどうする!
神田にある専修大学は、ビル街にあるビルみたいなもんなんだから、冷房は必要だろう。周辺に自然の多い早稲田では、冷房がなくても、なんとかしのげる。よそと較べてもしょうがないと思う。
この闘争(というほどのものではないが)は、ビラをまいた翌日には、一気にしぼんでしまった。
一部の教員が、授業中に、「私なら、冷房導入には断固と反対する。冷房がないから、学科・専修によっては、6月中に実質的な夏休みになるのに、冷房があると、『暑くないから勉強できるだろう』となって、7月いっぱいまで授業・試験があるようになったら困る。断固反対だ」というようなことを言ったので、冷房導入運動に共感する学生が皆無になった。
冷房があることよりも、授業がないことを学生たちは望んだのである。ついでに、教員のほうも、7月いっぱいまで授業・試験をやらされてはたまらないと思っていたんじゃないかと思う。
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