フィールズ賞を日本人として初めて受賞した小平邦彦はピアノが上手だった。
同じく、フィールズ賞受賞者の広中平祐は高校生のとき、音楽家になりたいと思っていた。
相対性理論のアインシュタインはヴァイオリンの演奏が趣味であった。
数学の基礎づけに関する研究をしたパウル=ベルナイズは、若いころ、音楽家になるか数学者になるかで迷ったことがある。
量子力学の創設者のひとりであるハイゼンベルクはピアノの演奏が上手だったらしい。
ピュタゴラスは、ピュタゴラス音律を考案したとされる。
スウェーデンの王立科学アカデミーの数学研究所にはピアノが備えつけられている。
高校2年生のときに、国際数学オリンピックで金メダルを獲得した中島さち子は、今は、ジャズピアニストをしている。▼公式ウェブサイトはこちら→SACHIKO NAKAJIMA -OFFICIAL WEB SITE- MySpaceはこっち→Nakajima Sachiko - MySpace
早稲田大学理工学部数学科では、60名中57名が楽器の演奏ができたという年度があった。
事例に関しては、枚挙(まいきょ)に暇(いとま)がない。
もちろん、音楽はできるが、数学は苦手という場合もあるだろうが、本気でやりはじめたら、数学でもそれなりのレベルに達するのであろう。
どうして楽器の得意な数学者が多いのかについて、これまで、数学と音楽の類似点から説明しようとすることがよく見られた。たとえば、どちらも、抽象的なものの中に美を感じるものであるからとかである。
最近の脳科学では、数学と音楽は、脳の近い部分を使うということがわかっている。だから、数学を鍛えると、音楽で使う脳の部分もいくぶん鍛えられ、音楽に脳を使うと、数学で使う部分も、ある程度まで同様に鍛えられるということになるらしい。あるいは、もともと、脳のそのあたりの部分が発達しているとも考えられなくもないだろう。
楽器の演奏がまったくできない場合でも、素地はあるが、家庭環境などによって、楽器演奏に手を出さなかった可能性がなくはない。
同様に、一定レベル以上に訓練・勉強をしないと数学はわからないだろうから、才能があっても数学ができないという者もいるだろう。
うちの生徒をみていると、自発的に楽器の演奏を始めた者は、当初、数学が苦手であっても、伸び方は悪くないという印象を抱いている。しつこいようだが、楽器の演奏ができなくても数学の才能のある者はいる。
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↑中島さち子が大学在学中に共著として出版した本。
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