また、九九の苦手な人は、どの段が苦手だと思うかと訊ねると、たいていの人は、「七の段」と答える。
ところが、素数(1とそれ自身でしか割り切れない整数)である7が絡(から)んでくる「七の段」は手ごわいと、だれしも感じるので、七の段は、真面目に憶えようとする。意外と、算数・数学が苦手であっても、七の段は言えるものなのである。
意外と、言えない人がいるのが、「八の段」である。
驚くかもしれないが、本当なのである。
八の段が言えない人というのは、小学2年生のときに、九九のテストが済んでからは、ずっと、数字を入れ替えて、計算しているのである。
たとえば、
8×6(はちろく)
の場合に、答えが、とっさに口をついて出てこない場合には、
6×8=48(ろくは、しじゅうはち)
と、数字を入れ替えている。
こうしたことをずっと繰り返しているうちに、「八の段」がちゃんと言えない人間になってしまう。高校生でも、数学が苦手(というか、計算が苦手)な人は、百ます計算で、「八の段」でペンが一瞬、止まったりする。
一般的には、計算しているうちに、頭の中で九九を唱えることは、最終的にはなくなる(と思う)んだけど、八の段がつまづいている人は、いつまで経っても、頭の中で九九を唱えているようだ。それも、八の段では数字を入れ替えて。
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