「電話帳」というのは、昨年度の入試問題を集めたものだ。その分厚さから、「電話帳」と業界内では呼んでいる。
たとえば、旺文社からだと、『2009年度 受験用 全国高校入試問題正解 国語 数学 英語』というものがある。「リスニング問題CDつき」という文字も添えられている。5,565円(税込み)だ。
『2009年度 受験用 全国入試問題正解 社会 理科』だと、3,150円(税込み)だ。
書店と同じ値段で仕入れると、1割が利益になるから、『2009年度 受験用 全国高校入試問題正解 国語 数学 英語』の場合だと、本体価格5,300円の1割だから、530円が1冊あたりの利益となる。
かりに、中学3年生の生徒数が1万人だとすれば、530万円の儲(もう)けである。
うまいこと考えるなあ。
ところが、こんなものを買わされても、あまり役に立たない。大半を占める公立高校の問題は易しすぎるので、解く意味がない。出題のタイプが違うと、これまた役に立たない。演習する問題の取捨選択が重要であるのだから、生徒が買うことに積極的な意味はない。限られた時間で効率よく得点力を上げるには、無駄が多すぎる。
志望校にあわせて、解いてみる問題の取捨選択ができれば、それなりに役に立つのだけれど、それができるようなら、進学塾に通う必要はないし、それができるような保護者であれば、その塾に通わせる必要もない。
あからさまな儲け主義だと思うけど、よく、こんなことを思いつくなあと感心してしまった。
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