2009年3月22日日曜日

シナモンティー

ぼくが今よりもずっと若かったときの話だ。

「これでシナモンティーを淹れてね」と言われて、もらったのが缶に入ったシナモンスティックだった。
 ポットにシナモンスティックだけを入れて、お湯を注いだ。

ハッカのかおりがするだけの白湯(さゆ)だった。こんなものを、どうして好む人がいるのだろうかと思った。とくに、男性よりも女性がシナモンティーを好むらしいが、まったく理解できないと思った。

 とはいえ、本当の感想をいうわけにはいかず、シナモンスティックをくれた東京女子大学の学生には、「ああいう、あっさりした感じの飲み物も、悪くはない」などと適当なことを行っておいたが、会話が進むうちに、ぼくが、シナモンだけを入れたポットにお湯を淹れて飲んだということが、相手に知られた。

彼女は大笑いしていた。

シナモンティというのは、紅茶の葉とシナモンスティックの両方を入れたポットにお湯を注いでこしらえるものだったのかと、初めて知った。

麦茶は、炒った大麦で淹(い)れるお茶である。

どくだみ茶も、どくだみの葉だけで淹れるお茶である。

蕎麦茶(そばちゃ)だって、焙煎(ばいせん)した蕎麦(それも、たいていは韃靼蕎麦(だったんそば)だけ)で淹(い)れている。

 シナモンティーという名前から、「シナモンだけから淹れるお茶のようなもの」と推測するのは、なにもおかしくはないと思った。

 しかし、反証事例があった。
 ミルクティーだ。
 「紅茶にミルクが入ったお茶」である。
 決して、ミルクだけを入れたポットにお湯を注いでこしらえるものではない。
 「紅茶にシナモンのかおりのついたお茶」と成り立ちが同じである。

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和歌山県橋本市出身。世界文化遺産である高野山の麓です。
和歌山県立橋本高等学校を経て、早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業。
B型Rh+。天秤座。家紋は「丸に九枚笹」。
大叔父(おおおじ)は精鋭集団である帝国陸軍航空審査部所属で、「キ61(きろくいち)の神様」と呼ばれた坂井雅夫少尉。キ61は三式戦闘機「飛燕(ひえん)」のことである。

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