2009年3月27日金曜日

日本の小学校低学年の計算力は世界的に相当なものだが……

 日本の小学校低学年の計算力は世界基準で考えると、相当なものである。しかし、一般の日本人はそのことに気がついていない。日本人の計算能力しか知らないから、すごいということに気づいていない。
 日本語の数の表現は、すぐれて十進法的である。
 「十二」といえば、「10」と「2」から成り立つ数だとわかる。
 ところが、英語のtwelveでは「10」と「2」から成り立つ数だとは直観的にわからない。フランス語のdouzeでも、ドイツ語のzwölfでも、わからない。英語の「13」以降はthirteen、fourteen、fifteenなることから、「12進法」の名残だということが見て取れる。
 フランス語では「80」をquatre-vingtsという。quatreは「4」で、vingtsはvingt(20)の複数形で、つまりは、「4つの20」あるいは「4倍した20」という言い方だ。これは「20進法」の名残であろう。「97」となると、quatre-vingts-dix-septであり、これは「4倍した20に10を足して7を足したもの」という意味だ。
 東京都知事の石原慎太郎は「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格しているのも、むべなるかなという気がする」と述べたが、「数を勘定できない」という点はそれほど間違っていない。ただし、「国際語」というものは、その言語を使用する国家が覇権を握れば国際語になるのであって、言語そのものがどうこういうものではない。
 Le Petit Nicola(かわいいニコラ、邦題は『プチ・ニコラ』)を読むと、小学生が騒いでいるときに、騒いでいると午後の授業は算数にしますよと教師が言った途端(とたん)に、全員がぴたりと静かになるという場面がある。そのくらいにフランス人は計算が苦手なんだな。
 フランス語は数を勘定できないとしても、場合によっては、利点もある。十進法的ではないから、そうしたことに囚(とら)われることなく、「数」そのものを洞察できる。その結果、フランスという国は、整数論ですぐれた業績をあげている(英国は代数が得意で、日本はなんだかんだと微積分が得意である)。

 日本語は十進法的言語表現で数を述べるので、日本の小学校低学年は、世界全体で見れば、きわめて計算が得意である。
 しかし、小学校低学年の児童の計算力が高いからといって、数学にすぐれた民族と考えるのは間違っている。たまたま使用する言語が簡単な計算に適していたにすぎない。それに「九九」なんて、すぐれたアイテムもあるにすぎない。
 とはいえ、日本人というか、東洋人というか、そのあたりが潜在的に数学の才能があると考えられる理由はあるので、気が向いたときに述べる予定である。

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和歌山県橋本市出身。世界文化遺産である高野山の麓です。
和歌山県立橋本高等学校を経て、早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業。
B型Rh+。天秤座。家紋は「丸に九枚笹」。
大叔父(おおおじ)は精鋭集団である帝国陸軍航空審査部所属で、「キ61(きろくいち)の神様」と呼ばれた坂井雅夫少尉。キ61は三式戦闘機「飛燕(ひえん)」のことである。

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