2009年1月5日月曜日

ベレー帽を買った。

 半年ほど前にベレー帽を買った。
 野球帽型の帽子をずっとかぶりつづけていた。オートバイ用品の英国ブランドの帽子で、ひさしは厚みのある革製で、細部もいろいろと凝っていた。発色の美しい深緑色だったが、イタリア製の服の染め方と同じらしく、洗うと色落ちしていった。色落ちも楽しんだから、問題はなかった。しかし、10年以上も使っていると、さすがにボロくなった。これ以上はかぶり続けられないなと考え、新たに帽子を買うことにした。
 いい年齢をして、いつまでも野球帽型の帽子はどうかなという気になった。比較的ラフな服装でも大丈夫そうなのは、鳥打帽hunting capとベレー帽béretで、とりあえず、ベレー帽にした。
 新品でいちばん廉いのを探したところ、陸上自衛隊の「91式略帽」が正式名称のベレーだった。ちょっと迷ったが、それにした。


帽章はつけていない。
ここでベレー帽を買った。

 軍隊の正規品が手軽に入手できるのかと怪訝に思う人もいるかもしれないが、軍用品とはいえ、すべてが支給されるわけではない。隊員が基地内の売店で自費で購入するものが一部にある。現役の隊員が売店でベレーなどを購入して、横流ししているらしい(憶測)。
 ありがちな誤解としては、軍用品だからさぞかし立派な品物だろうというものがあるが、軍用品は短期間で使い捨てるものなので、あまり品質はよくない。むしろ、軍ヲタ(軍事オタク)向けのレプリカのほうが、高品質なのだそうだ。被服などの品質に対する軍ヲタの要求する水準は、現役の軍人よりも高いそうだ。ベレー帽を買うまで、そういうことは知らなかった。

 購入前は、英国陸軍軍人のバーナード=ロー=モントゴメリーBernard Law Montgomeryのようにかぶろうと思っていた。そのためには、たぶん、こういうふうに軽くアイロンがけをすればよかろうということも考えていた。

バーナード=ロー=モントゴメリー
Bernard Law Montgomery

 ところが、私は頭が大きかった。
 いや、頭がとくに大きいわけではなく、正確にいうと、自己紹介に貼りつけてある写真を見てもらえればわかると思うが、目が顔の真ん中にあるのである。目から上の部分の体積が大きいわけだ。帽子の内部を占める頭の部分が大きいから、帽子に折り目をつけて、形を整えるということがむずかしい。で、どうなったかというと、南米の革命家チェ=ゲバラChe Guevara風にしかベレー帽がかぶれないのである。もちろん、自己紹介の写真から大人になったときの風貌を想像すればわかるだろうが、チェ=ゲバラほどもかっこいいわけでは断じてない。とほほ。


チェ=ゲバラ
Che Guevara

 予定とはちがうかぶり方になってしまった。鳥打帽を買おうかと考えている。

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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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