2009年1月30日金曜日

鬼ころし

 近所の店の前を通ったら、「鬼ころし」という日本酒がずらりと並べられていた。どうして、安酒を前面に出しているのだろうかと疑問に思ったが、その隣に豆まきのセットなんかが置いてあるのを見て納得した。節分の「鬼は外」にあわせて、「鬼ころし」を売ろうという考えらしい。
 なるほど。

 節分といえば、恵方巻が全国的に普及したのはほんの最近のことだが、恵方巻というのは、もともとは関西のごく一部のすこぶるつきのローカル=カルチャーにすぎなかった。コンビニエンス=ストアかなんかの戦略なんだろうな。豆よりも利益率は高そうだ。

 「鬼ころし」は、「鬼ごろし」とも書く。昔に日本語ではいちいち濁点をつけなかったので、「鬼ころし」と表記するのはその名残だ。
 「鬼殺し」を辞書で引くと、「粗悪で悪酔いする強い酒」と「辛口の強い酒。おにごのみ」との2つの意味が掲載されている。ちなみに「鬼ごのみ」という日本酒もある。
 「鬼ころし」というのは、もともとは普通名詞だったようだ。いや、今でも普通名詞になるのかな?

 この「鬼ころし」「鬼ごろし」を冠した日本酒は数多くある。
 私の聞いた話では、こういうことだ。ある蔵元が「鬼ころし」という名称を使っていた。その名前を使いたいと考えた別の蔵元が、その蔵元に申し出たところ、登録商標にする気もないし、使いたければ勝手に使えと返答した。
 この話を聞いたあちこちの蔵元も、じゃあ、うちも辛口の酒に「鬼ころし」の名前を使おうということになった。その結果、「鬼ころし」「鬼ごろし」を冠する日本酒が多く販売されることとなった。

 Sunkistはもともとサンキスト=グロワーズがブランド化して、世界各国のメーカーとブランド使用料の許諾契約をして、ライセンス料を得ている。ところが、「鬼ころし」は、ビジネスとは関係なしに普及している。日本酒だけではなく、焼酎まである。

 「鬼ころし」の元祖は、飛騨高山の老田酒造店の「飛騨自慢 鬼ころし」らしい。元祖以外で、評価が高いのは、「翁鶴 鬼ころし」のようだ。

 以下、「鬼ころし」「鬼ごろし」を冠する日本酒を列挙してみよう。

飛騨自慢 鬼ころし
翁鶴 鬼ころし
清洲城信長 鬼ころし
尾張常滑郷の鬼ころし
鬼ころし 伊勢の里
福扇 鬼ころし
愛情一杯 鬼ころし
鬼怒 鬼ころし
六甲山麓 鬼ころし
大和の鬼ころし
福豆 鬼ころし
摩耶の鬼ころし
円満家族 鬼ころし
日本盛 鬼ころし
若竹 鬼ころし
佐渡の鬼ころし
ゴールド鬼ころし
国稀 鬼ころし
みちのく 鬼ころし
宮泉 鬼ころし
平城京 鬼ごろし
源べえさんの鬼ころし
下野国 鬼ころし
闘将伝説 鬼ごろし
能登 鬼ごろし
日光戦場ヶ原 鬼ごろし
長州 鬼ころし
真野鶴 鬼ころし
少林山の鬼ころし
國盛 鬼ころし
三河の鬼ごろし
小山本家 鬼ころし
灘の鬼ころし
灘・西宮の鬼ころし
灘・西宮郷の鬼ころし
京舞妓 鬼ころし
さくら浪漫 鬼ころし北海
犬鳴山 鬼ころし
酒伝 鬼ころし
八洲 鬼ころし
宝川 鬼ごろし
甲斐の国 鬼ごろし
忠正 鬼ごろし
君盃 鬼ごろし
寶川 鬼ごろし
彩雲の鬼ころし
若松 鬼ごろし
北海 鬼ころし
精撰 鬼ころし
信州野沢の鬼ころし
清州 鬼ころし
播州桃太郎の鬼ころし
独眼流 鬼ころし
比良の鬼ころし
三宮の鬼ころし
耶馬の鬼ころし
柳生流 鬼ごろし
吉備路 鬼ころし
銀嶺月山 鬼ごろし
高波 鬼ころし
秋田 鬼ごろし
楯の川 鬼ころし
とうこうの鬼ころし
越中 鬼ころし
蝦夷 鬼ころし
尾張知多の鬼ころし
鬼ころし 智仁勇
伝説の里 豊の国の鬼ころし
ニュー鬼ころし
伏見の国 鬼ころし
豊後の鬼ころし
渡る世間の鬼ころし
がま伝説 鬼ころし
但馬の鬼ころし
日光二荒山の鬼ころし
さつまの鬼ころし
利助さんの鬼ころし
服部半蔵・鬼ころし
鈴鹿 鬼ころし
金剛 鬼ころし
荒神山 鬼ころし
浦島太郎 鬼ころし
名人 鬼ごろし
甲賀流 鬼ころし
長久 鬼ころし
武蔵之国一之宮 鬼ころし
黒田藩正宗 鬼ころし
富久娘 赤顔の鬼ころし
万楽 鬼ころし

 いい加減につけたとしか思えないネーミングがちらほらと見かけるな。

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和歌山県橋本市出身。世界文化遺産である高野山の麓です。
和歌山県立橋本高等学校を経て、早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業。
B型Rh+。天秤座。家紋は「丸に九枚笹」。
大叔父(おおおじ)は精鋭集団である帝国陸軍航空審査部所属で、「キ61(きろくいち)の神様」と呼ばれた坂井雅夫少尉。キ61は三式戦闘機「飛燕(ひえん)」のことである。

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