「檸檬」という作品については以下を参照。
今よりもずっと若いときに、八百卯に行った。
「檸檬」に登場するレモンはサンキスト=レモンだ。
「それの産地だといふカリフオルニヤが想像に上(のぼ)って來(く)る」と小説にある。
サンキストという名称・ブランドは、1893年設立のサンキスト=グロワーズSunkist Growers, Incorporatedという柑橘類生産者販売共同組合が1908年から高品質のオレンジにサンキストSunkistの名前を与えたことによる。サンキスト=ブランドのレモンが登場したのはいつなのかははっきりしないが、梶井基次郎の「檸檬」は1925年の作品だから、私が訪れたときの店主も言っていたのだが、梶井基次郎が買ったのはサンキスト=レモンだろう。
梶井基次郎の頃は、おそらく、高級品だったのだろう。小説の道具に使うくらいだしね。ところが、八百卯に行ったときには、高級品のサンキスト=レモンと、5個くらいが袋詰めにされている安物のサンキスト=レモンとがあった。もちろん、安物のほうをたくさん買った。
今、いちばん高級なレモンって、完全無農薬国産レモン(完熟)なんだろうな。
実家に戻ってから、高校の同級生や、学年が2つ下の女の子たちにサンキスト=レモンを配った。
学年が2つ下の女の子たちは1学期に梶井基次郎の「檸檬」を習ったばかりだった。
学年が2つ下の女の子たちは1学期に梶井基次郎の「檸檬」を習ったばかりだった。
「モデルになった店で買(こ)うてきたレモンなんよ」
ちょっとはウケるかなと思ったのだ。
レモンを上げた女の子のひとりがずいぶんと経ってから、電話をかけてきた。
「あんねえ、掃除機先輩にもろたレモン、大事にしよう思(おも)て、床の間においといたら、知らん間(ま)に、茶色になって、ミイラみたいに干(ひ)からびてしもてたん」
干からびるまで気がつかなかったのだから、こいつは、絶対に「大事にしよう」と思っていなかったにちがいないな。
なお、小説「檸檬」つぎのところで読める。
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