2009年1月29日木曜日

梶井基次郎の「檸檬」に登場する店のモデルになった八百卯(やおう)が閉店

梶井基次郎の「檸檬(れもん)」に登場する果物屋のモデルになった八百卯(やおう)がひっそりと閉店した。

「檸檬」という作品については以下を参照。


今よりもずっと若いときに、八百卯に行った。

「檸檬」に登場するレモンはサンキスト=レモンだ。

それの産地だといふカリフオルニヤが想像に上(のぼ)って來(く)る」と小説にある。

サンキストという名称・ブランドは、1893年設立のサンキスト=グロワーズSunkist Growers, Incorporatedという柑橘類生産者販売共同組合が1908年から高品質のオレンジにサンキストSunkistの名前を与えたことによる。サンキスト=ブランドのレモンが登場したのはいつなのかははっきりしないが、梶井基次郎の「檸檬」は1925年の作品だから、私が訪れたときの店主も言っていたのだが、梶井基次郎が買ったのはサンキスト=レモンだろう。

梶井基次郎の頃は、おそらく、高級品だったのだろう。小説の道具に使うくらいだしね。ところが、八百卯に行ったときには、高級品のサンキスト=レモンと、5個くらいが袋詰めにされている安物のサンキスト=レモンとがあった。もちろん、安物のほうをたくさん買った。

今、いちばん高級なレモンって、完全無農薬国産レモン(完熟)なんだろうな。

実家に戻ってから、高校の同級生や、学年が2つ下の女の子たちにサンキスト=レモンを配った。

学年が2つ下の女の子たちは1学期に梶井基次郎の「檸檬」を習ったばかりだった。

「モデルになった店で買(こ)うてきたレモンなんよ」

ちょっとはウケるかなと思ったのだ。

レモンを上げた女の子のひとりがずいぶんと経ってから、電話をかけてきた。

「あんねえ、掃除機先輩にもろたレモン、大事にしよう思(おも)て、床の間においといたら、知らん間(ま)に、茶色になって、ミイラみたいに干(ひ)からびてしもてたん」

干からびるまで気がつかなかったのだから、こいつは、絶対に「大事にしよう」と思っていなかったにちがいないな

なお、小説「檸檬」つぎのところで読める。



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和歌山県, Japan
早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業、「優」が8割以上で、全体の3分の2以上がA+という驚異的な成績でした。大叔父は競争率180倍の陸軍飛行学校第1期生で、主席合格・主席卒業にして、陸軍大臣賞を受賞している。いわゆる銀時計組であり、「キ61(三式戦闘機飛燕)の神様」と呼ばれた男である。苗字と家紋は紀州の殿様から授かったものである。

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