2009年1月7日水曜日

「教科書レベル」という表現に関わる根本的な誤解

 一般に、教科書レベルがきちんと理解できていればセンター試験では6割が得点できるといわれている。
 ところが、教科書といっても、レベルが大きくちがう。ここに誤解が生じる余地がある。
 たとえば、数学の教科書にしても、数研出版は6種類のレベルの教科書を発行している。正確には数研出版名義のものは3種類であるが、これは、法律上、1つの出版社は3種類までと決められているからである。残りの3種類の教科書は、グループ企業に出版させている。形式的には別会社が発行していることになる。
 さまざまなレベルの教科書があるにもかかわらず、教科書がわかっていればセンター試験で6割が得点できると一般の高校生は思い込んでいる。ところが、レベルの低い教科書だと、すべてを理解していても、6割の得点は見込めない。
 以前、ほかの予備校で非常勤講師をしていたときに、どう考えてもセンター試験で6割の正解は見込めない学力なのに、のんびりとしている生徒がいた。「そろそろ、本気出したら、どう?」と言ってみても、「大丈夫ですから」という。いったい、なにがどう大丈夫なのかと思ったので、ちょっと話してみたところ、自分の高校の教科書に書いてあることが理解できているので、6割は大丈夫で、第1志望の大学は6割の得点で合格できるところだから、余裕なんだという。
 教科書レベルがわかっていれば6割といっても、基本的にはいちばんレベルの高い教科書での話であって、レベルの低い教科書では6割は難しい。しかも、レベルの高い教科書でも、数学の場合、「章末問題」もきちんとこなせていなければならない。
 結局、自分の通う高校で使用している教科書が理解できるということで、彼は大きな勘違いをしていたのであった。

 大学受験について語る場合、たいていの予備校講師にしろ、受験関係の出版社にしろ、レベルの高い教科書しか念頭においていないので、誤解が生じるのである。「教科書レベル」と予備校講師がいう場合、「いちばん難しいレベルの教科書のレベル」という意味なのである。
 じつは、私自身、それで、厳密にいうと「誤った」情報を問い合わせ電話の相手にもたらしたことがある。以下の記事を参照のこと。


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和歌山県橋本市出身。世界文化遺産である高野山の麓です。
和歌山県立橋本高等学校を経て、早稲田大学第一文学部哲学科哲学専修卒業。
B型Rh+。天秤座。家紋は「丸に九枚笹」。
大叔父(おおおじ)は精鋭集団である帝国陸軍航空審査部所属で、「キ61(きろくいち)の神様」と呼ばれた坂井雅夫少尉。キ61は三式戦闘機「飛燕(ひえん)」のことである。

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