具体例を挙げよう。
まずは、2006年度の理学部数理情報科学科・応用物理学科・応用化学科のアクセントの問題。
次の文中の各語のもっとも強いアクセントのある部分の番号を解答用マークシートにマークしなさい。
(ア) con-clude
(イ) cos-tume
(ウ) how-ev-er
(エ) i-de-as
(オ) im-ages
(カ) mu-se-um
(キ) stan-dard
つぎに2007年度の理学部数理情報科学科・応用物理学科・応用化学科のアクセントの問題。
次の文中の各語のもっとも強いアクセントのある部分の番号を解答用マークシートにマークしなさい。
(a) at-tit-ude
(b) e-vent
(c) in-flu-ence
(d) in-nu-mer-a-ble
(e) re-sult
(f) suf-fi-cient
正解は以下のとおり。
2006年度
(ア) 2 con-clude
(イ) 2 cos-tume
(ウ) 2 how-ev-er
(エ) 2 i-de-as
(オ) 1 im-ages
(カ) 2 mu-se-um
(キ) 1 stan-dard
2007年度
(a) 1 at-tit-ude
(b) 2 e-vent
(c) 1 in-flu-ence
(d) 2 in-nu-mer-a-ble
(e) 2 re-sult
(f) 2 suf-fi-cient
「なにも考えずに2番だけを選べば、67%あるいは71%が正解となってしまう」ということだ。
こんな出題で、入試問題として機能しているのかと思う人がいるかもしれないが、現に機能しているから、こういう問題を出しているのである。いつだったか思い出せないが、アクセント問題が10問あって、そのうち8問が第2音節にアクセントがあるという出題も、東京理科大学はやってのけている。
東京理科大学を第1志望に考える受験生は、数学・理科は苦手ではないが、英語・国語はすこぶる苦手というタイプが多いということが見て取れる出題である。
日本人がアクセントの位置を間違える単語を集めると第2音節にアクセントのあるものが多くなる。
学校にもよるが、高校受験でも、偏差値50前後の私立高校のアクセント問題は第2音節に正解が集中してしまう。ちょっと前の事例としては、私立育英工業高等専門学校(今は、私立サレジオ工業高等専門学校杉並育英キャンパス)のアクセント問題では、なにも考えずに2番目を選べば、50%から67%の正解となった(今はどうなっているのか知らない)。それでも試験として機能するのは、そのレベルの高校を受験する中学生は、ほとんどだれもがこうしたことに気づかないからである。
ちなみに、「2番だけを選ぶ攻撃」を防ぐ高校もある。その場合の方法のひとつとしては、つぎのようなものが挙げられる。
次の各組で、最も強く発音する部分の位置が他と異なるものをそれぞれ1つ選び、その記号を〇で囲みなさい。
こういう出題の仕方だと、「2番だけを選ぶ攻撃」を防ぐことができるわけである。
なお、大学受験におけるアクセント問題の一般的な対策はつぎのものである。
まず、アクセントのルールが大きくわけて24、細かい技まで入れると30近くあるので、そのルールを見ながら、アクセント問題を解いていく。解いていくうちに憶えられる頻出語は憶えていく。アクセントのルールが身につき、頻出語をある程度まで憶えたら、憶えていない頻出語をチェックして憶える。アクセント問題の頻出語は200程度である。また、英単語をmu-se-umのようにハイフン(-)で区切ることを分綴(ぶんてつ)と呼ぶのだが、分綴の仕方からアクセントの位置が推測できるので、それも活用するとよいが、これはあまり教えられないようである。
最後に、東京理科大学理学部数理情報科学科・応用物理学科・応用化学科では、2008年度の入試ではアクセント問題を出していないので、これらの学科を志望している人には2009年度の入試では役に立ちません。あしからず。
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