東京タワーは朱色で、これは鳥居の色で、すこぶる日本的だと考えていた。ところが、生徒たちが、東京タワーは赤だという。
金鉱ではたいてい水銀鉱石も採れ、水銀鉱石の辰砂という赤い金属を使って、鳥居に色をつけていた。結界・魔よけの意味で鳥居を朱色にしていた。また、防腐作用もあった。
鳥居の朱色にはそういう由来があるのだから、当然、東京タワーのあの色も、鳥居の朱色に由来するものだろうと漠然と考えていたのだ。エッフェル塔は、この点で、無粋な色をしていると思っていた。
ところが、うちの生徒はだれも朱色だと思っていなかった。赤だという。
そういわれてみると、鳥居の朱色の由来を知らない者が東京タワーを見れば、赤だと思うのはそれほど変だとは思えない。
東京タワーの色をほぼ自動的に鳥居の朱色と結びつけていたのは、実家の近所に丹生都比売神社があるからかもしれないと思った。
丹生都比売神社はともかく、東京タワーの色について検索してみた。
正解は、「インターナショナルオレンジ」だった。朱色と赤の中間くらいの色だ。航空法が定められた色で、勝手に変えることはできないそうだ。
鳥居の色だから東京タワーは日本的なんだと思い込んでいたのだけど、そのまま思い込んだままでいたかったな。
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